・SONY 24-105mm F4 G
・タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD
どちらもSONY Eマウントの人気レンズで、この2つで迷っている方が多いと思いましたので、どちらが優れているのか比較してみました。
結論は以下です。
- 24mmから使える
- 隅の解像性能
- 色収差の少なさ
- AF速度
(AF-Cや動画AFは僅差) - 望遠側で明るい
- 手ブレ補正
(静止画では僅差、歩き動画では大差) - 質感
- 操作性
(スイッチ類が多い)
- 価格の安さ
- 200mmまで使える
- 周辺減光
(24-105 F4 Gよりマシ) - 軽い
- 広角側で明るい


どちらを選ぶべきかは最後で解説しています。(ジャンプする)
タムロン28-200mmは他のレンズとも比較していますので、以下にまとめました。
28-200mm比較記事一覧 | ||
---|---|---|
NIKON 24-200mm VR Z タムロン 28-200mm | CANON RF24-240mm IS USM タムロン 28-200mm | SONY 24-105 F4 G タムロン 28-200mm |
オリンパス 12-100 タムロン 28-200mm |
スペックの比較
24-105mm F4 G | 28-200mm F2.8-5.6 | |
---|---|---|
メーカー マウント | ソニー ソニーEマウント用 | タムロン ソニーEマウント用 |
価格 | ¥133,000 | ¥77,213 |
最大径x長さ | 83.4x113.3 mm | 74x117 mm |
重量 | 663 g | 575 g |
レンズ構成 | 14群17枚 | 14群18枚 |
最短撮影距離 | 0.38m | 0.19m(28mm) 0.8m(200mm) |
最大撮影倍率 | 0.31倍(105mm) | 0.32倍(28mm) 0.26倍(200mm) |
絞り羽根枚数 | 9枚 | 7枚 |
防塵防滴 | ○ | △防滴のみ |
手ブレ補正 | ○ | x |
AFモーター | 超音波モーター (DDSSM) | ステッピングモーター |
フィルター径 | 77 mm | 67 mm |

重さの差は88gですが、実際に持ったときに明らかに24-105mm F4のほうがずっしりきます。
外観を比較
SONY24-105mm F4 Gの方が質感が高く、フォーカスフォールドボタンや、AF/MF切り替えスイッチがあります。

じゃ、スイッチがないレンズは使わないほうがいいの?

いいえ、SONYカメラは意外とカスタマイズ性が高く、対策方法があります。
SONYのカメラには押している間AF/MF切替(押している間だけ)や再押しAF/MF切替(押すとAF/MFが永久に切り替わる。)という設定がありますので、それをご自身がお好きなボタンに登録するとかなり使い勝手がアップします。
解像力を比較
a7iiiにつけて比較します。
結果だけが知りたい方は、解像力まとめまでジャンプしてください。
近景(2~3m)
タムロン28-200mmは以前にも別レンズと比較しています。
・105mm F2.8 DG DNと近景で比較しました
・ニコン24-200mm F4-6.3とすべてにわたり比較しました
↑2つでは、28-200mmは光学性能で完敗となりました。
今回は小三元レンズの24-105mmと勝負です。
28mm
↓の画像部分をタップすると拡大します。
- 近景28mm 中心
- 28mm 近景 隅
タムロンは広角端ということもあってか、SONY24-105mmのほうが明らかに優れます。
85mm
85mmは隅だけ撮影しました。
そこまで差がないですが、SONYのほうが優れている印象です。
105mm
- 105mm 近景中心
- 105mm 近景 隅
SONYは望遠端なので不利な状況ですが、ほとんど差がありません。
遠景(50m以上)
広角端(24と28mmで比較)
塔部分を隅にも置き、拡大しました。
↓の画像部分をタップすると拡大します。
- 広角端 中心
- 広角端 隅
別日に同じ位置から撮影しています。
画角が4mm広く、広角端であるはずのSONY24-105mmの圧勝
28mm
先ほどと同じ位置から、SONYも28mmにズームし撮影
↓の画像部分をタップすると拡大します。
- 28mm中心
- 28mm 隅
隅は明らかにSONY24-105mmが優れる。
同じ焦点距離で同じ拡大をしていますが、タムロンのほうが少し画角が広いですね。
35mm
35mmは SONYのフルサイズレンズ35mm F1.8も混ぜて比較しました
↓の画像部分をタップすると拡大します。
- 35mm中心
- 35mm 隅
※これだけ3つのレンズ同じタイミングで撮影
同じF4で揃えてみたとき
・中央
・僅差ですが、28-200mm ≧ 24-105mm F4 G ≧ 35mm F1.8
・隅
・24-105 F4 G >> 35mm F1.8 >>>>>> 28-200mm
となっております。

35mm F1.8は単焦点であることを考慮すると、かなり甘いレンズだなと思いました。
105mm
↓の画像部分をタップすると拡大します。
中心も隅もSONY24-105mmのほうが解像感が高くコントラストも良好。
解像力まとめ。SONY24-105mmの圧勝
・28mm
・中心
ほぼ差なし
・隅
すべてのF値で24-105の勝利
・85mm
・隅
24-105mmの勝利
・105mm
・中心
ほぼ差なし
・隅
ほぼ差がないが、タムロン28-200には色収差が発生する。
・広角端
・中心
ほぼ差なし
・隅
24-105mmの圧勝
・28mm
・中心
24-105mmの勝利
・隅
24-105mmの圧勝
・35mm
・中心
僅差ですが、28-200mm ≧ 24-105mm F4 G ≧ 35mm F1.8
・隅
24-105 F4 G >> 35mm F1.8 >>>>>> 28-200mm
・105mm
・中心
24-105mmの勝利
・隅
24-105mmの勝利
個人的には想像通りの結果で、小三元レンズと高倍率ズームには雲泥の差があります。
焦点距離ごとのF値の変動
28mm 〜 F2.8
31mm 〜 F3.2
43mm 〜 F3.5
54mm 〜 F4
78mm 〜 F4.5
113mm 〜 F5
147mm以降 〜 F5.6
78mm~はSONYの方が明るいです。
最大撮影倍率
0.19m(焦点距離28mm) 0.32倍
0.8m(焦点距離200mm)
0.38m 0.31倍
最短撮影距離で撮影したときに、↓の大きさで写ります。
24-105も28-200も最短撮影距離で撮影時の描写は良くない。
以下の3つのレンズで最短撮影距離で撮り比べました。
価格 | 最大撮影倍率 | |
---|---|---|
24-105mm F4 G | 133000円 | 0.31倍 |
28-200mm F2.8-5.6 | 77000円 | 0.32倍 |
Panasonic 42.5mm F1.7 (マイクロフォーサーズ) | 27000円 | 換算0.4倍 |
- 28-200(換算28mmで撮影) 42.5mm F1.7(換算85mmで撮影) 最短撮影距離
- 24-105(換算105mm) 42.5mm F1.7(換算85mm) 最短撮影距離
↑は、レンズボディ含め30万のシステムが5万円のシステムに劣る瞬間です。
24-105mm F4はAPS-Cクロップしているので美味しいところだけ使えている状態ですが、それでもなお27000円のレンズに負けていますね。
28-200mmも24-105mm、も接写時はなるべく中心に被写体を置くようにしましょう。
周辺減光
- 周辺減光広角端
- 周辺減光28mm
補正なしのRAWです。
周辺減光結果まとめ
・広角端同士で比較するとSONY24-105mmのほうが周辺減光が強い
・28mmで比較してもわずかにSONY24-105mmが優れる程度
24-105mmのほうが開放での周辺減光はマシと思ってましたので、これは予想外の結果です。
ちなみに同じ設定で撮影しましたが、明るさの差は感じられません。
ニコン24-200mmは同じ設定で撮っても明るく撮れましたので、やはりZマウントのほうが光学的に有利説は濃厚に思えてきました。
玉ボケ
広角端ではタムロン28-200、105mmではSONY24-105が欠けが少ないです。
手ブレ補正
静止画での比較
静止画の手ブレ補正はその時々によって変わると思いますし、どの程度なら成功とするか線引きが難しいので、参考程度にお願いします。
以下24-105mm F4 Gで撮影した結果です
・SS1/6 20%成功
・1/10 50% (拡大しないなら80%成功)
・1/15 60% (拡大しないなら90%成功)
・1/20 70% (拡大しないなら100%成功)
105mmで撮影時
・1/10 10%
・1/15 40%
・1/20 50%
・1/25 60%
・1/30 65%
・1/40 80%
こんな感じになり、三脚と同程度の写真にしようと思うと、1/焦点距離は欲しくなりました。
タムロン28-200mmはa7iiiのボディ内手ブレ補正だけですが、24-105mm F4 Gに比べると、全体的に成功率は10%下がるような印象でした。
誤差はあったとしても劇的に変わらないというのは確かで、「レンズ内手ブレ補正が搭載されているから24-105mm F4 Gを選択!」とまでは僕は思いませんでした。
ボディ内手ブレ補正がない古いSONY機をお使いの方は24-105mmを選ぶほうが無難ですね。
動画での比較
105mmでの手持ち動画↓
105mmで手持ちで撮影しましたが、あまり変わりません。(むしろタムロンのほうが良い?)
↓はタムロンを200mmにしました。やはり、105mmと200mmでは画角の違いが大きいですね。
↓歩き動画
歩き撮影に関しては、アクティブ手ブレ補正の効きが圧倒的に変わりますので、24-105mm F4をチョイスする理由としては十分です。
アクティブ手ブレ補正が付いていないSONYカメラであれば、どちらのレンズも歩き動画はかなりブレます
AF性能
SONYレンズのほうが安定していますが、タムロンやシグマのステッピングモーターでも多くの状況で十分の速度です。(SONYカメラのAFが優秀すぎるので)
どちらもほぼ無音。
SONY機にはなにを付けてもだいたい速いので、よほど「動きの速い被写体を撮るんだ俺は!」という方以外はSONYレンズじゃなくても大丈夫です。
ただ、静止画のAF-Sに関しては純正のレンズのほうが速くなります。(詳しくはこちらで比較しています)
タムロン28-200mm F2.8-5.6の作例
SONY24-105 F4 Gの作例
かなり暗所にも関わらず、AFが迷うシーンは少なかったです。
↓のようなストロボがなければ真っ暗なシーンではさすがにピントが来にくいので、AF補助光やスマホのライトを頼りにしました。
まとめ。どちらを選ぶべきか?
- 風景撮影、建物の撮影
(周辺まできっちり写る為) - ボディAF性能を最大限発揮したい
(特にAF-Sが速い) - 歩き動画の撮影をする
(アクティブ手ブレ補正は圧倒的です。)
- 人物撮影が多い
(広角側のF値が低い) - 軽いほうが良い
(88gの差は体感でも変わる) - 安いほうが良い
(約56000円の差はでかい) - 旅行に使う
(軽くて200mmまで使える)

全体的に小三元レンズであるSONY 24-105mm F4 Gのほうが1ランク上に思いました。
予算があって、カメラに対する熱量が多い方はSONY 24-105mm F4 Gを選ぶのが無難です。
28-200mmは「おでかけついでに思い出として写真を撮りたい!」という方におすすめのレンズで、4隅の描写や接写は甘い印象です。
28-200mmで一時期ブログに載せる商品写真を撮っていたときがありましたが、接写なのでマイクロフォーサーズの激安レンズより甘い画質になり、途中から使用をやめました。
ただ、被写体はなるべく中心部に置き、風景などの周辺まできっちり写したい場合はF8までしっかり絞ればある程度は対策可能です。
高倍率の広角から望遠までを一本で撮れることは魅力的なので、かなり使い勝手がいいレンズです。


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{GOOPASS}料金と注意点。登録〜審査 、レンタル 〜返却 流れ
もう少し競合他社のサービスと比較して検討したい方はこちら↓
カメラレンタルサービス4社を徹底比較!選び方を解説
マイクロフォーサーズ レンズレビュー記事一覧 | ||
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単焦点 | ズーム | 比較記事 |
20mm F1.7 | 12-32mm F3.5-5.6 | 15mm F1.7 42.5mm F1.7 |
15mm F1.7 | 14-140mm F3.5-5.6 ii | 12-32mm 14-42mm |
42.5mm F1.7 | ||
9mm F1.7 |
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高倍率ズームとマクロ単焦点の違い
パンケーキ平凡ズームとパンケーキF1.7単焦点の違い
平凡ズームと大三元ズームの違い
大三元ズームレンズとF2.8ハーフマクロ単焦点レンズの違い
マイクロフォーサーズ平凡レンズとAPS-C平凡レンズの違い
マイクロフォーサーズ大三元レンズとAPS-C・フルサイズ小三元レンズの違い
※すべてのレンズでこのようになるわけではありませんが、傾向がわかるかと思います
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