みなさんこんにちは。
タムロンがSONY Eマウント向けに販売している70-180mmF2.8のレビューをしていきます。
これを使いたいがためにEマウントにする方もいると思います。
このレンズのいいところと悪いところ、使用感を書いていきます。
作例は一番最後に載せています。
仕様
(MF時 0.27m (WIDE)/0.85m (TELE))*
最大撮影倍率 AF時 1:4.6
(MF時 1:2 (WIDE) / 1:4.6 (TELE))*
フィルター径 Φ67mm
最大径 Φ81mm
長さ** 149mm
質量 810g
絞り羽根 9枚 (円形絞り)***
最小絞り F/22
※タムロンHPから引用
特筆すべきはサイズとMF時の最短撮影距離
他社レンズの70-200mmF2.8は1500gくらいが当たり前になっていますので、このレンズの810gは恐ろしく軽い。
望遠端の20mmを削って手ぶれ補正機構を省いただけで、ここまで軽量化できてしまうものなのか。
そしてMFにすると寄れるので汎用性が高いレンズですね。
ただし接写したときの隅の描写はかなりソフトになりますので、メインの被写体を中央付近に置くのが望ましい。
外観
70-180mmF2.8は長いが径が小さいので長細いという感じ。
重さはシグマ24-70mmが20g重い。
僕の70−180mmF2.8は、 67mm⇨82mm のステップアップリングを装着してますので若干長くなっています。
シグマは全て日本製だがタムロンの製品はほぼ海外製。
玉ボケの形
大三元望遠といえばボケ。
中でも玉ボケについて詳しくみていきます。
開放で撮ると、隅の玉ボケは円形を保つのが厳しいですね。
70mm , 85mm , 180mmの玉ボケを検証しました。
70mm
口径食の影響を受けやすい4隅(右下)を拡大しています。
※わかりやすくするためにそれぞれピント位置を変えてボケ量を調節してますので、玉ボケの形のみご覧ください。
F2.8ではレモン型の玉ボケであるが、F4.5では余程隅ではない限り円形。
F8では絞り羽根の影響を受けてボケが角ばりはじめていますが、F8以上で玉ボケを表現する機会はそんなにないと思うのでそこまで問題はないかと思います。
85mm
85mmはポートレートに使う焦点距離なので少し細かく比較しました。
70mmと同じような感じです。
F4.5まで絞るとほぼ気になりません。
180mm
他の焦点域よりレモン型のボケが顕著です。
F5.6に絞っても隅の方は改善していない。
このサイズでF2.8を達成している弊害なのかもしれない。
別レンズ85mmF1.4 DG DNの玉ボケと比較
85mmF1.4でF1.4で撮影した玉ボケがこちらです。↓
F2.8同士で比較
比較するためにF2.8に合わせます。
同じ85mmですがピント位置が違いますので玉ボケの大きさに差がでています。玉ボケの形状のみをご覧になってください。
見ての通りシグマは2.8まで絞ってますので隅ギリギリ以外は円形になっています。
タムロンは開放なので口径食の影響がすごいですね。
よりボケを大きく写していて粗が目立つはずのシグマの方が玉ボケの中がスッキリしています。
タムロンの方は玉ボケの中がかなりざわついていますね。
とはいっても自分は玉ボケの中までは気にしていません。
F4同士で比較
F5.6同士で比較
タムロンは2段絞ったF5.6。ここが本領発揮といったところだ。
F9同士で比較
なんとシグマはF5.6のときとほとんど変わっていない。
絞り羽根枚数がタムロンより2枚多いということが絞った時に目に見えてわかる差になってくるのです。
このレンズのいいところ
望遠側の20mm切り捨ては大きな問題ではない。
←180mm →200mm
通常は大三元レンズの望遠ズームは望遠側200mmですが、タムロンのこちらのレンズは20mm削られた180mmになっています。
20mmと違うとなると、かなり画角が変わりそうですが、実際にはそこまでかわりません。
{例}
焦点距離20mm
焦点距離40mm
差は20mmで、めちゃくちゃ画角が変わりますよね。
ですが、画角の差は引き算で計算すべきではなく、割算で計算するのです。
したがってこのようになります。
40mm➗20mm=2倍(かなり画角が変わる)
200mm➗180mm=1.1倍(そこまで画角が変わらない。)
解像度でいうと1.1倍はクロップしても全然大丈夫です。
180mmで焦点距離が足らない被写体はそもそも200mmでも足らない気がします。そんなレベルです。
しかし、光学的に200mmまでズームしたボケ量はどうあがいても得れませんので、そこは注意が必要です。
解像性能
a7Riiiで使用していても解像性能に不満を感じたことはありません。
望遠端でも解像が甘いと感じたことはありませんので、平気でクロップして使ってます。
ボケがそれなりに滑らか
ざわつきやすい状況でもうまくいなしていると思います。
AF-Cが速すぎる
a7iiiでも瞬殺で鳥にフォーカスが合い、追い続けることができました。
a7iiiに鳥瞳AFがあればもっとよいのだが、、
このレンズはタムロンの中でも最新のフォーカス駆動VXDが使われていて、今までにない速さになっています。ステッピングモーターを採用している、シグマ85mmF1.4 DG DNと比較しました。
安すぎる
これだけの性能がわずか約12万円で手に入ってしまう。
普通に考えると高価ではありますが、純正ならば約27万円ほどとなってしまう。それでいてAFも解像感もほとんど同じとのレビューもあります。
ただ、2021年9月30日に発売された純正の新型70-200mm F2.8 GM IIには解像感は負けてしまいます。
もはや、軽さ以外太刀打ちできないって感じになってますので、予算がある方は純正をチョイスしたほうがいいと思います。
軽すぎる
このレンズあまりにも軽いです。シグマ24-70mmF2.8 DG DNより軽い。
望遠レンズの常識を覆す。
これだけの安さと軽さなので純正F4を買うよりこちらをチョイスするのもありだと思います。
「風景は絞るからF2.8はいらない」と思われるかもしれませんが、奥行き感がある風景の場合は、F2.8で撮ることによって立体感が出せて表現の幅が広がるんですよね。
あとは人が映り込む場面でF2.8を使うことでいい感じに顔をぼかしてくれます。
自動でプライバシーに配慮できます。
ちなみに全然ポートレートでも使えると思います。
こちらの記事で以前解説しましたが、例えば85mmF1.4と180mmF2.8で背景のボケ量はほとんど変わらないと思いますが、被写界深度はF2.8の方が深いため、両目や身体全体にピントが合いやすくなります。
背景はボケボケなのに身体はそこまでボケボケではないと思います。
大三元望遠レンズを使うことで、より被写体が浮き出たような表現が可能です。
どしゃぶりの雨でも撮影可能
ぼくが70-180mmにつけてるフードは、ステップアップリングと共存する「ユニバーサルレンズフード」です。
くれぐれも自己責任でお願いします。
BAD
質感
タムロンのミラーレス用レンズの質感ですが、ライバルのシグマと比べてもあきらかに劣る質感です。
タムロンは軽さを優先するという設計でコンセプトがそもそも違うので仕方がないかもしれませんが・・
撮れる写真には関係がないのですが、シグマのレンズを付けた時の方がテンションが上がります。
また、このレンズはベトナム製です。これに関しては価格を安くできている理由であるだろうし筆者としてはそのほうがありがたい。
絞り羽根が9枚
11枚であることがおおいシグマARTやSONY GMに比べると玉ボケに絞り羽根の形状が影響するF値において不利である。
ライバルのシグマでさえミラーレス用ARTレンズはほぼ11枚なので、タムロンが大三元も9枚で作っているのは少し残念。
逆光耐性が平凡
F2.8で左上あたりが紫っぽくなっているのが気になりますが、ゴーストは少なめです。
このようにゴーストがかなり目立ってしまうシーンがあります。
テレコンが使えない。
テレコンをつかって360mmF5.6で使えたら風景やちょっとした野鳥用途に最高の選択肢になったはず。
手ぶれ補正がない。
手持ちで撮影するとなると、とくに180mm側ではブレやすい。
昼間でも、絞るとシャッタースピードが意外に低下するため注意が必要です。
手ぶれ補正を搭載すると価格と重量が嵩むため、このようなコンセプトになったのでしょうし仕方がありません。
僕の腕不足というか、ブレの認識の甘さでもありますが、このレンズで撮影すると結構ブレた写真を量産してしまっています。やはり手ぶれ補正は重要だなという印象。
夜景スナップにこのレンズを使用するのは絞り開放前提となりそうです。ただでさえSONYのカメラはボディ内手ブレ補正の効きが悪いので。
AF-Sで迷う時がある。
コントラストが低い被写体をAF-Sで撮る時に迷うことがあります。
遠景の空でも迷いました。同じ状況でシグマ24-70mmDGDNのAF-Sはすぐに合いました。
暗いところでのAF-Sも、純正レンズと比較すると安定しないです。
AF/MF切替スイッチがない。
個人的にこれはかなりのマイナス点です。
カメラ側でMFにするのがめんどくさかったりして、なかなか70mmのハーフマクロ撮影をしていません。
ある程度解決しました。
SONYのカメラには押している間AF/MF切替(押している間だけ)や再押しAF/MF切替(押すとAF/MFが永久に切り替わる。)という設定がありますので、それをご自身がお好きなボタンに登録するとかなり使い勝手がアップします。
写真にパンチがないと感じるときがある。
完全に主観ですが、単焦点(85mm F1.4 DG DN)と比較すると、パンチが効いていない用に思います。
例えばコントラストが低い曇りの日は余計コントラストの低さが強調されると感じます。
太陽が色づきはじめている夕方に撮りました。
このような状況ではしっかりとしたコントラストでのり過ぎなくらい色がのっていますね。
この写真は編集ソフトで彩度をおとしているくらいです。
光の状況がよかったため、いい描写になっていますが、全体的に撮った写真を見ると抜け感が単焦点には一歩及ばないかなと思います。
シグマ85mmF1.4DG DNとコントラストを比較してみた。
他社70-200mmと比較したいところですが持っていませんので、少し比較対象としてはナンセンスかもしれませんが、単焦点と比較させていただきます。
どちらも撮って出しで、ある写真の一部分を拡大しています。
そして自分が両方のレンズを使っていて思うことは、やはり単焦点である85mmF1.4の方が一段階クリアな写真が出てくるイメージです。
ですが僅差ですし、多分写真だけをみてどちらで撮ったとかは当てれないと思います。
いや、どうだろあてれるかもしれないw
このクリアさ、パンチの効いた写真が70-180mmF2.8から出てくることは相当珍しいですが85mmF1.4なら容易に出てくる。
と、思いたいだけかも知れません🤣
作例とまとめ
ここからはすべて70-180mmで撮影してます。
このレンズではかなりの写真を撮ってきて、作例は一部です。
三脚座がないことはデメリットにあげませんでした。軽いので三脚座の必要性は全く感じません。
雲台にベースプレートを取り付けるで対応可能。
パンチがないという話に関しては、比較してようやくわかる話で、ぶっちゃけ「気がする」というレベルです。
フルサイズの望遠大三元がこの価格と軽さは唯一無二です。
写りも全然問題ありません。
このレンズがあれば気軽に持ち歩ける望遠大三元レンズとして大活躍します。
カメラやレンズは高価なのでレンタルもおすすめ。
カメラ機材は高価なので購入するハードルが高い・・
- 購入前に実際に使ってから検討したい
- お子様の行事や旅行など、イベントで一時的に使用したい
- 人気の機材をお試しで使用してみたい
- サブスクで色々なカメラを使いたい
そんな方はカメラレンタルサービスを利用するのがおすすめです。
個人的にはカメラレンタルのサブスク「GooPass」がおすすめです。
例えば今回紹介したタムロン 70-180mm F2.8はLv2パス:月額 税込11,980円で1ヶ月間借りられます。(その間、別の機材に取替放題。)
※別で往復配送料が1650円かかります。
GooPassについて詳しく知りたい方はこちら↓
{GOOPASS}料金と注意点。登録〜審査 、レンタル 〜返却 流れ
もう少し競合他社のサービスと比較して検討したい方はこちら↓
カメラレンタルサービス4社を徹底比較!選び方を解説
マイクロフォーサーズ レンズレビュー記事一覧 | ||
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単焦点 | ズーム | 比較記事 |
20mm F1.7 | 12-32mm F3.5-5.6 | 15mm F1.7 42.5mm F1.7 |
15mm F1.7 | 14-140mm F3.5-5.6 ii | 12-32mm 14-42mm |
42.5mm F1.7 | ||
9mm F1.7 |
各社高倍率ズーム比較記事一覧 | ||
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NIKON 24-200mm VR Z タムロン 28-200mm | CANON RF24-240mm IS USM タムロン 28-200mm | オリンパス 12-100 タムロン 28-200mm |
高倍率ズームとマクロ単焦点の違い
パンケーキ平凡ズームとパンケーキF1.7単焦点の違い
平凡ズームと大三元ズームの違い
大三元ズームレンズとF2.8ハーフマクロ単焦点レンズの違い
マイクロフォーサーズ平凡レンズとAPS-C平凡レンズの違い
マイクロフォーサーズ大三元レンズとAPS-C・フルサイズ小三元レンズの違い
※すべてのレンズでこのようになるわけではありませんが、傾向がわかるかと思います
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