みなさんこんにちは。
Eマウントの超広角ズームSONY 16-35mm F4 Gをレビューします。
結論を申しますと、
- 小型軽量
- AFが爆速
- フォーカスブリージングが少ない
- 写りが良い(色収差がない、逆光耐性、広角端以外の解像力)
- シームレスに超解像ズームへ切り替え
ので、どなたにもおすすめしたいレンズです。
このレンズはマイクロフォーサーズやAPS-Cの優位性を減らしてしまうほどのレンズだと個人的には思いました。
デメリットもありますが、対策方法も紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
スペックを競合と比較
16-35mm F4のサイズ
- 自社のライバル16-35mm F4 ZAや、16-35mm F2.8 GMと比べてかなり小さく軽い
- マイクロフォーサーズレンズ、8-18mm F2.8-4より径が少し大きいだけ。
マイクロフォーサーズのF2.8~4のボケ量は換算F5.6-8になることを考慮すると、軽いのにボケ感を得れるのが16-35mm F4 Gですね。
なんと富士フイルムのXF10-24mmF4 R OIS WRよりも軽い。
外観
・カスタムボタン
・IRIS LOCK (AとF4~F22の行き来をロックできる)
・絞りリング
を搭載しているので、GMレンズと比べても機能や質感は引けを取らない。
16-35mm F4 Gの見た目は径が少し大きく、「重いのかな?」という印象がありますが、実際に持つと「軽っ!」となります。
解像力を他のレンズと比較
16-35mm F4 Gの解像力は、広角端の隅は甘い描写ですが、望遠端は比較的良好な印象です。
↓タップすると見れます。
□マクロ
□近景
□中景
□遠景
こちらではマイクロフォーサーズレンズのPanasonic 9mm F1.7 Leicaでハイレゾショットで撮影した写真と、16-35mm F4 Gを比較していますが、圧倒的に16-35mm F4 Gのほうが解像感が高いです。(センサー性能の差もありますが)
16-35mm F4 Gの実写での解像力
16mmで撮影した写真
35mmで撮影した写真
16-35mmの広角端の周辺描写の甘さは歪曲も影響している
最近のレンズはコンパクトにするために、補正なしの状態では歪曲が目立つことが多いです。
ですので、いつからか僕は歪曲に関しては割り切って、ソフトウェア補正を脳死でかけて対応していました。
ただ、16-35mm F4 Gの広角端の樽型歪曲は想像以上に大きいものでした。
←補正前のRAW →補正後
16-35mm F4 Gの歪曲が大きいものだとお分かり頂けかと思います。
では歪曲があることで描写に影響があるのか拡大して見てみましょう↓
補正をかけると周辺が隅に向かって引き伸ばされていく形となり、描写が悪化していることがわかります。
小型軽量の弊害かもしれませんね。
逆光耐性
16-35mm F4 Gの玉ボケのようなものは、前玉にゴミが付いていたのだと思います。
この結果では14mm F1.8 Gmが優れています。
ただ、実際に屋外で太陽にレンズを向けてもゴーストやフレアに悩まされたことがありませんので、16-35mm F4 Gの逆光耐性はかなり優秀だと思います。
価格が大幅に安いマイクロフォーサーズのレンズと比べるのはナンセンスかもしれませんが、16-35mm F4 Gは圧倒的に逆光耐性が優れています。
かなり優秀な方です。
SONY FE 35mm F1.8と比較↓
16-35mm F4 Gの方がフレアやゴーストは少ないですが、単焦点に比べると若干コントラストが低いのかな?という印象です。
周辺減光
シグマ14-24mm F2.8 DG DNと16mmで比較してみました。
シグマは16mmまでズームしていますので有利ですね。
一方、16-35mm F4 Gは広角端開放の周辺減光が凄まじい。これはシグマ14-24mmの広角端よりひどいです。
フォーカスブリージング
Lightroomでプロファイル補正済み
16-35mm F4 Gのフォーカスブリージングはかなり少ないことがわかります。
NDフィルター使用時のケラレ
16-35mm F4 Gに82mmステップアップリングを付けて、nisiの可変NDフィルターを装着してますが、重ね付けしなければケラれは発生しません。詳しくはこちら
可変NDを付ける場合、更にフィルターやクイックリングを重ね付けした時点でアウトだと思ってください。
一方で、16mmで固定NDフィルター2枚(KENKO ZX と KANI HT PRO + MC)重ねて装着時の写真⇩
同じ16mmで、使用したNDフィルターも同じなので、フォーカスブリージングの影響の可能性が高いです。
ということで、NDフィルターを2枚(KENKO ZX と MARUMI EXUS)を装着しピント位置を変えて撮影しました↓
わかりにくいかもしれませんが、フォーカス位置が近いほどケラレが多くなってます。
NDフィルターを使うシチュエーションは長秒露光、または動画撮影だと思いますが、長秒露光では遠景にピントを合わせることがほとんどで、動画撮影では上下クロップされるので、固定ND2枚重ね付けまではケラレ問題はあまり気にしなくてもいいでしょう。
レンズ保護フィルターを装着する方であれば、レンズ保護フィルター1枚 = 固定ND1枚 だと思ってください。
ちなみにフィルターはケラレの無さで選ぶ場合、KENKOのZX iiやNeewerのフィルターがおすすめです。
いずれのメーカーのフィルターであっても、広角レンズに使用するフィルターは薄枠設計のものを選びましょう。
AF性能
SONYのリニアモーターを搭載したレンズは、このレンズに限らずストレスフリーです。
業界最高水準のAF
a7IVだけでなく、a6400やa7iiiに付けても爆速でした。
やはり、フォーカスブリージングはかなり少ないですね。
a7IVにつけたときの手ブレ補正
静止画
a7IVは5.5段手ブレ補正です。
焦点距離16mmで数十枚電子シャッター手持ち撮影し、10万画素まで拡大して手ブレチェックを行いました。
判断基準は↓の写真のとおり
本までは2mほどしかないため、割とブレやすい状況なのかな?と思います。
結果は、↓のようになりました。
シャッター速度1/4 | 約20%成功 (すべて微ブレ) |
シャッター速度1/6 | 約30%成功 (すべて微ブレ) |
シャッター速度1/10 | 約80%成功 (微ブレもあり) |
シャッター速度1/15 | 約100%成功 (内20%微ブレ) |
手ブレは運にもよりますし、参考程度にお願いしたいですが、5.5段補正であっても最低でも1/15は確保したいですね。
SNSに載せる程度であれば、1/6や1/10でもいけそうです。
同様のテストを28mmで行いましたが、1/10で50%成功 1/20で80%成功でした。
すべての焦点距離で、1/焦点距離 秒のシャッター速度を確保するのが無難かな〜と思います。
ただ、近景で例えば20mmで撮影するなら1/20が必要ですが、遠景であれば1/10でも高確率でブレませんでした。
実際には遠景であっても、手前にもなにか写ってる写真が多いかと思いますので、画面隅々まで自然に描写したいなら個人的には1/焦点距離 秒を確保したいです。
アクティブ手ブレ補正
純正レンズなので、動画ではアクティブ手ブレ補正がかなり効きます。
以下の動画では
①16-35mm F4 G 16mm
②16-35mm F4 G 16mm(適当に歩き)
③シグマ 35mm F1.4 Dg DN
④SONY35mm F1.8
⑤16-35mm F4 G 35mm
で手持ちで歩いて比較しています。
16-35mmの35mm側と35mm F1.8で比較すると、35mm F1.8のほうが効きがいいのかなという印象です。
16-35mm F2.8 GMの35mmと、35mm F1.4 GMで比較しても、35mm F1.4 Gmのほうが効きがいいそうです。
参照元高澤けーすけ様
16-35mm F4 Gの16mm側は手ブレ補正がかなり効き、35mm側は単焦点に比べると効きが劣るように思いますが、それでも十分だと思いました。
SONY 16-35mm F4 Gのメリット・デメリットと対策
メリット
- 小型軽量
- インナーズーム(ジンバルや三脚に載せても重心が変わらない)
- 電動ズーム(デメリットでもある)
- 動画で超解像ズームへの切り替えがスムーズ
- 動画では16-90mm程まで使える汎用性(アクティブ手ブレ補正のクロップ、APS-Cクロップ、超解像ズーム)
- 高速AF(だれも文句でない)
- 丸形フィルターが使えて、1枚なら16mm側でもケラれない。
- 色収差が少ない
日中の風景撮影や動画撮影でこのレンズはかなり使い勝手が良いです。
特に、電動ズームなのでズームリングは無限に回り、35mmを超えると超解像ズームに自動で切り変わります。(ズームレバーでも可能)
この無限に回る感覚は通常のレンズにはない独特な感覚なので、受け入れられない人もいるかもしれませんが、僕は超解像ズームをよく使うのでとてもうれしいです。
出目金レンズのようにリアNDや角型フィルターを使わなくて済むのは楽ですね。
デメリット
- SONYボディで、夜や室内でF4は暗すぎる
- 広角端の画質。(隅の解像感、周辺減光)
- ズームリング、ピントリング(特に後者)のトルクが軽すぎる(手があたるだけで回るレベルです)
特に一つ目のデメリットが厄介で、室内で人物を撮ろうと思うとISO8000以上は当たり前です。
単焦点にレンズ交換するか、ストロボを使うしかありません。
これはF4レンズ全てに言えることで、いわば宿命です。ただ、この16-35mm F4 Gの場合、手ブレ補正が弱いSONYカメラを使わざるを得ないので、静止物を撮るのも厳しいです。
SONY機は5.5段手ブレ補正搭載ボディでも静止画の補正は貧弱なので、100%手ブレを防ぐには少なくとも1/焦点距離を確保したいです。
これが想像以上に暗く、このレンズで夜景スナップなどを手持ちで撮ろうという気になりません。レンズのデメリットというよりかは、SONYボディのデメリットでもあります。
SONY機をお使いの方は、家に帰って写真を見ると手ブレ写真を量産していた経験がある方が多いんじゃないかな?と思います。
他社カメラは手ブレ補正の効きがいいので、F4でも静止物なら撮れる状況が多いです。
SONYカメラで暗いレンズを使用して静止物を撮るときの対策(画質が期待できる順)
- 三脚を使う
- a7RV(8段手ブレ補正)を使う
- 単焦点レンズに付け替える
- 16-35mm F2.8を使う
です。①〜④までを深堀りします。
①三脚を使う
写真撮影目的に旅をするフォトグラファーなら、むしろ暗所では三脚で撮る前提でしょう。
ただ、旅行やお出かけ中に行おうとすると手間がかかります。
②a7RVを使う
a7RVを買った人のネット上の意見を参考にしたところ、スペック上は8段ですが、いいとこ5段分なのかなと思いました。
5段手ブレ補正搭載のa7iiiは2段分くらいしか効かないですしね。
ただ、他社と並ぶくらいの手ブレ補正は得れると思いますので、価格と画素数(約6100万画素)が大丈夫な方にはおすすめです。
③単焦点レンズに付け替える
これであれば人物撮影の場合も被写体ブレを防ぎやすいのでおすすめです。
ただ、旅先でレンズ交換を行うのは少し煩わしい。
④16-35mm F2.8 GMを使う
F2.8ズームを使うことで1段分明るく撮れますが、①②③は少なくとも3段は変わるので、④の1段分は微々たる差に感じます。
重たくて高価というデメリットがありますので、費用対高価はあまり良くないです。
僕は主に③で対策しています。暗所で、広角側は14mm 1.8 GM、望遠側は35mm F1.8に付け替えています。
あ、あとa7Siiiなどの画素数が少ないカメラであれば、ISOがあがってもノイズが出にくいという特徴がありますのでいいかもしれないですね。デュアルネイティブISOがありますので、中途半端なISOであれば、ISO16000まで上がっちゃったほうが良いという話を聞きました。
16-35mm F4 Gの作例
まとめ。デメリットはあるが、総じて使いやすいレンズ
夜の夜景や室内の静止物までをレンズ一本で手持ちで綺麗に撮りたい方は、要検討。
16-35mm F4 Gの魅力をざっとまとめると
・AFが爆速
・フォーカスブリージングが少ない
・コンパクトすぎるのに解像感も良好
・動画の手ブレ補正
・シームレスに超解像ズームへ切り替え
この5点です。
※超解像ズームは、写真の場合JPEGのみに限定されるので、RAWで撮る方は恩恵を受けにくいです。
各々暗所での対策して、このレンズのメリットだけを享受できれば最高のカメラライフが待っています。
「静止画での手ブレ補正を重視しない方なら、SONY Eマウントでいいんじゃないか?」そう思わせられるレンズでした。
カメラやレンズは高価なのでレンタルもおすすめ。
カメラ機材は高価なので購入するハードルが高い・・
- 購入前に実際に使ってから検討したい
- お子様の行事や旅行など、イベントで一時的に使用したい
- 人気の機材をお試しで使用してみたい
- サブスクで色々なカメラを使いたい
そんな方はカメラレンタルサービスを利用するのがおすすめです。
個人的にはカメラレンタルのサブスク「GooPass」がおすすめです。
例えば今回紹介した16-35mm F4 Gは、Lv3パス:月額 税込16,380円で1ヶ月借りることが可能(その間、別の機材に取替放題。)
1週間であれば、なんとLv2パス:月額 税込11,980円で借りられます。(残りの3週間はRank1~2の機材を自由に取り替え放題)
※別で往復配送料が1650円かかります。
GooPassについて詳しく知りたい方はこちら↓
{GOOPASS}料金と注意点。登録〜審査 、レンタル 〜返却 流れ
もう少し競合他社のサービスと比較して検討したい方はこちら↓
カメラレンタルサービス4社を徹底比較!選び方を解説
マイクロフォーサーズ レンズレビュー記事一覧 | ||
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単焦点 | ズーム | 比較記事 |
20mm F1.7 | 12-32mm F3.5-5.6 | 15mm F1.7 42.5mm F1.7 |
15mm F1.7 | 14-140mm F3.5-5.6 ii | 12-32mm 14-42mm |
42.5mm F1.7 | ||
9mm F1.7 |
各社高倍率ズーム比較記事一覧 | ||
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NIKON 24-200mm VR Z タムロン 28-200mm | CANON RF24-240mm IS USM タムロン 28-200mm | オリンパス 12-100 タムロン 28-200mm |
高倍率ズームとマクロ単焦点の違い
パンケーキ平凡ズームとパンケーキF1.7単焦点の違い
平凡ズームと大三元ズームの違い
大三元ズームレンズとF2.8ハーフマクロ単焦点レンズの違い
マイクロフォーサーズ平凡レンズとAPS-C平凡レンズの違い
マイクロフォーサーズ大三元レンズとAPS-C・フルサイズ小三元レンズの違い
※すべてのレンズでこのようになるわけではありませんが、傾向がわかるかと思います
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