LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 II ASPH./POWER O.I.S
このレンズを購入した理由や、使い勝手、描写面を詳しく検証レビューしていきます。
以下、結論まとめです。
- 軽量コンパクト
- 必要十分な画質
PROレンズと比較すると劣る - 幅広いズーム域
- まずまず良好なAF速度
- 手ブレ補正付き
- 逆光耐性
- 広角側で寄れない
- ズームリングのトルク感が心地悪い
マイクロフォーサーズ レンズレビュー記事一覧 | ||
---|---|---|
単焦点 | ズーム | 比較記事 |
20mm F1.7 | 12-32mm F3.5-5.6 | 15mm F1.7 42.5mm F1.7 |
15mm F1.7 | 14-140mm F3.5-5.6 ii | オリンパス 12-100 タムロン 28-200mm |
42.5mm F1.7 | 12-45mm F4 PRO | 12-32mm 14-42mm |
9mm F1.7 |
14-140mm F3.5-5.6 ii の仕様や外観
14-140mm F3.5-5.6 II | 14-150mm F4-5.6 | |
---|---|---|
メーカー | Panasonic | Olympus |
画角 | 28-280mm相当 | 28-300mm相当 |
開放F値 | f/3.5-5.6 | f/4-5.6 |
防塵防滴 | ○ | ○ |
レンズ構成 | 12群14枚 | 11群15枚 |
最短撮影距離 | 0.3m | 0.5m |
最大撮影倍率 | 0.25倍(換算0.5倍) | 0.22倍(換算0.44倍) |
絞り羽根数 | 7枚 | 7枚 |
フィルターサイズ | 58mm | 58mm |
重量 | 約265g | 約285g |
最大径x長さ | 67x75 mm | 63.5x83 mm |
メーカー希望小売価格 | 約88,000円 | 約73,000円 |
ライバルの14-150mmより軽く、開放F値が低く、寄れる点で優れています。
スイッチは手ブレ補正ON/OFF切り替えスイッチのみで、AF/MF切り替えスイッチはありません。
Pana 14-140mmは3種類ありややこしい。違いを解説
このレンズ非常にややこしく、色も含めると5種類あります。
左から解説します。
- H-VS014140 最も古い型
F値がF4-5.8. 460g - H-FS14140-K 旧型 前期{黒}
240fps駆動のAFモーター、265gになった - H-FS14140-S 旧型 前期{銀}
色違い。 - H-FS14140-KA 旧型 後期
デザインがかわっただけ。 - H-FSA14140 最新型
品名がiiに。防塵防滴に対応。現在新品ではこれしか買えない。
H-FS14140は色やデザインの違いだけですべて同じだと思ってください。
最新型は防塵防滴に対応しましたが、差額が大きく画質は同じなので、中古でもよろしければH-FS14140が一番おすすめです。
ファームウェアアップデートでDual I.S.2に対応できますし。
※Dual I.S.2は、カメラ側もこれに対応した GH5 . G9. G9 ii . G99 . G8 . GH6 しか効果がありませんので、注意が必要。
自分が選んだのはH-FSA14140 最新型です。
防塵防滴のOM-5と組み合わせるので、どうせなら防塵防滴に対応した最新型を選んだ次第です。
高倍率ズームであるこのレンズを買った理由
フルサイズ用レンズ、タムロン28-200mm F2.8-5.6を購入したあと、高倍率ズームの便利さにドハマりしました。
たしかに、拡大して隅まで見ると、より低倍率のズームの画質に劣りますが、十分な光量があれば全く問題のないクリアな描写をするという印象です。
高倍率ズームはかなり手間を削減しつつ様々な画角で撮影できる、スマホでは味わえない使い勝手と感じました。
かなり広いズーム範囲です。
マイクロフォーサーズの高倍率ズームでは、12-100mm F4 PROも使用したことがありますが、「この重さならフルサイズの28-200mmを使うか〜」となっていました。
したがって14-140mmの重量はかなり合理的であると判断し購入に至りました。
解像力
12-45mm F4 PROと解像力を比較
14mmの中心部と周辺
大きく変わらないが、12-45mm PROの方が、コントラスト・解像感が良好
14mmの隅
圧倒的に12-45mm F4 PROの方がコントラスト・解像感が良好
25mmの中心部と周辺
12-45mmの方が色収差少なくて解像感良好
25mmの隅
12-45mmの方が色収差少なくて解像感良好。絞れば違いはわずか
35mmの中心部と周辺
12-45mm PROの方がコントラスト・解像感良い
35mmの隅
14mmのときほど差はないですが、12-45mm F4 PROの方が良好
45mmの中心部と周辺
大きく差はないが、12-45mm PROの方がコントラスト・解像感が若干良い
45mmの隅
大きく差はないが、12-45mm PROの方がコントラスト・解像感が若干良い
接写(最大撮影倍率になる 45mm と140mm)
中心と周辺は明らかに12-45mmが良好、隅は14-140mmの方が良好。
焦点距離が違うので参考程度にお願いします。
12-100mm F4 PROの解像力と比較
14mmの中心部と周辺
大きく差はないが、12-100mm PROの方がコントラスト・解像感が若干良い
14mmの隅
F4まではほぼ同じだが、14-140mmは色収差が発生している。
12-100mmはF5.6に絞ると急速に改善し、14-140mmは絞っても改善しない
70mmの中心部と周辺
大きく差がない。
70mmの隅
F4まではほぼ同じだが、12-100mmはF5.6に絞ると急速に改善し、14-140mmに勝る。
100mmの中心部と周辺
開放での解像力はどっこいどっこい、むしろ14-140mmの方が良好ですが、14mmのときと同じく、12-100mmをF5.6まで絞ると大幅に改善。
100mmの隅
解像力に関しては14-140の方が良好にみえる。ただ、14-140には色収差が発生している。
140mm 実写での解像力
若干甘い感じがしますがそれは、そもそも焦点距離が足らない、センサーの性能、画素数 に起因するところも大きいと思います。
高倍率ズームのテレ端でこれだけ写れば十分じゃないでしょうか。
14-140mm F3.5-5.6のAF速度
14-140mm F3.5-5.6の動画AF速度ですが、より上位のレンズに比べると若干劣るように思います。
静止画のAF-S、AF-Cだと差は少なくなり、14-140mmのAFでも十分な速度となります。
周辺減光
14mmでは周辺減光がかなり強く、絞ったとしても収束は遅めです。
最大撮影倍率で撮影したときの大きさ、作例
望遠側で倍率が大きくなるレンズです。
50mmあたりまでは寄れないのでテーブルフォトなどには向かないですが、室内では明るく寄れる単焦点(20mm F1.7や42.5mm F1.7)を使って対処しています。
高倍率ズームですが、しっかりとした描写です。
焦点距離ごとの開放F値の変動
OM-5で検証したところ開放F値は以下のようになりました。
15mm ~ F3.6
17mm ~ F3.7
19mm ~ F3.8
21mm ~ F4
24mm ~ F4.1
26mm ~ F4.2
28mm ~ F4.3
30mm ~ F4.4
34mm ~ F4.5
37mm ~ F4.6
40mm ~ F4.7
46mm ~ F4.9
55mm ~ F5.1
61mm ~ F5.2
65mm ~ F5.3
69mm ~ F5.4
115mm ~ F5.5
130mm ~ F5.6
ボケ量、ボケ感
高倍率ズームですが、柔らかく癖のないボケ味だと感じました。
最後の写真は枝のざわつきが気になるものの、そもそも枝はざわつきやすいのでしょうがないのかなと思います。
マイクロフォーサーズでそこまで明るくないレンズですが、望遠にズームすることによってそこそこのボケ量を得ることができます。
手ブレ補正
手ブレ補正は被写体との距離や、その日の体力、運などによって変わりますし、主観的な感覚要素も大きいです。
参考程度にお願いします。
撮影距離は1.5mほど。
14mm(換算28mm)で撮影しているので、手ブレ補正なしであれば1/30がほしい状況
↑の写真はE-M1 mark iiiと12-100mmで撮影した写真ですが、他の組み合わせでも撮影した結果を以下にまとめましたので、タップしてご覧ください
14-140mm F3.5-5.6のレンズ内手ブレ補正は、ボディ内手ブレ補正でいえば4段分レベルの手ブレ補正が得ることが出来ました。
手ブレ補正付きのオリンパスボディと組み合わせて使う場合は、14-140mmの手ブレ補正はOFFにするほうが補正されます。
12-100mm F4 PROのレンズ内手ブレ補正は、レンズ内補正なのにE-M1 mark iiiのボディ内補正より強力なんじゃ?と思えるほど強力でした。
逆光耐性
逆光耐性はあまり良くないという印象です。
14-140mmは逆光耐性がよろしくなく、色収差も多いことがわかります。
↑の状況で19mmまでズームすると、かなりゴーストが発生しました⇩
別のシチュエーション⇩
ズームリングのトルク感が心地悪い件について
14-140mmはズーム操作がなめらかではなく、ギクシャクします。
同じ強さで徐々にズームリングを回していても、どこかで引っかかります。
この挙動は12-32mmのほうが遥かにマシですし、12-45mm F4 PROと比較すると雲泥の差です。(12-45mm >> 12-32mm >>>>14-140)
ですので、動画撮影中にズームを頻繁にする方は注意が必要です。(写真撮影なら大丈夫)
動画中にズームするのはただでさえ難しく、視聴者に自然に見せるのは至難の業ですが、14-140mmはそれを更に難しくさせます。動画撮影が記録目的であればそこまで気にする必要はないのですが。
作例
特に望遠側で甘いなと感じるシーンは確かにあります。
ただ、スマホで見る程度であれば、圧縮効果の効いた写真というだけで迫力があり、一眼カメラで撮影した写真だとすぐにわかります。
重箱の隅をつつかず、普通に鑑賞する分には十分に楽しめると僕は感じました。
まとめ
それでは冒頭のまとめを振り返ります。
- 軽量コンパクト
- 必要十分な画質
PROレンズと比較すると劣る - 幅広いズーム域
- まずまず良好なAF速度
- 手ブレ補正付き
- 逆光耐性
- 広角側で寄れない
- ズームリングのトルク感が心地悪い
これ一本で広角から望遠までカバーできてコンパクトなレンズのため、気軽に持ち出しやすいレンズになっています。
フルサイズやAPS-Cの高倍率ズームは重量が倍以上なので、マイクロフォーサーズらしいレンズといえますね。
この間、12-45mm F4 PROで淡路島ツーリングに行きましたが、14-140mm F3.5-5.6を持っていけばよかったと後悔しました。
12-45mmの方が解像力は高いものの、やはり高倍率ズームの便利さは時間が限られる状況で代替不可能な付加価値となります。
今まだ高倍率ズームをお持ちでないマイクロフォーサーズユーザーにはかなりおすすめしたいです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
マイクロフォーサーズ レンズレビュー記事一覧 | ||
---|---|---|
単焦点 | ズーム | 比較記事 |
20mm F1.7 | 12-32mm F3.5-5.6 | 15mm F1.7 42.5mm F1.7 |
15mm F1.7 | 14-140mm F3.5-5.6 ii | 12-32mm 14-42mm |
42.5mm F1.7 | ||
9mm F1.7 |
各社高倍率ズーム比較記事一覧 | ||
---|---|---|
NIKON 24-200mm VR Z タムロン 28-200mm | CANON RF24-240mm IS USM タムロン 28-200mm | オリンパス 12-100 タムロン 28-200mm |
カメラやレンズは高価なので購入するハードルが高い・・
- 購入前に実際に使ってから検討したい
- お子様の行事や旅行など、イベントで一時的に使用したい
- 人気の機材をお試しで使用してみたい
- サブスクで色々なカメラを使いたい
そんな方はカメラレンタルサービスを利用するのがおすすめです。
個人的にはカメラレンタルのサブスク「GooPass」がおすすめです。
高倍率ズームとマクロ単焦点の違い
パンケーキ平凡ズームとパンケーキF1.7単焦点の違い
平凡ズームと大三元ズームの違い
大三元ズームレンズとF2.8ハーフマクロ単焦点レンズの違い
マイクロフォーサーズ平凡レンズとAPS-C平凡レンズの違い
マイクロフォーサーズ大三元レンズとAPS-C・フルサイズ小三元レンズの違い
※すべてのレンズでこのようになるわけではありませんが、傾向がわかるかと思います
コメント