FE 35mm F1.8はSONYのフルサイズ用レンズで、価格は純正にしてはお安いので気になっている方も多いのではないでしょうか?
このレンズはかなり小型軽量ですが、単焦点ならではの精細で立体感ある写真が撮れます。
僕はSONY Eマウント 35mmの単焦点レンズだけで以下の4つ使いました。
- タムロン 35mm F2.8
- シグマ 35mm F1.2 DG DN
- シグマ 35mm F1.4 DG DN
- 本レンズ(SONY FE 35mm F1.8)
その上でこのレンズはどうなんだ?といったことも語っていきます。
- 小型軽量 (280g)
- 倍率0.24倍まで寄れる
- 接写時も絞ると良好な解像力
- 玉ボケが開放でも丸くて綺麗
- AFが静かで、まずまず速い
- 操作性
ボタン、AFMF切り替えスイッチあり - 外装が金属製
- カジュアルで汎用性が高い画角
- 開放、隅の解像感
- コマ収差
- あまりにも大きい周辺減光
- 色収差が目立つ時がある
スペック
レンズ名 | SONY 35mm F1.8 | SONY 35mm F1.4 GM | シグマ 35mm F1.2 DG DN | シグマ 35mm F1.4 DG DN |
---|---|---|---|---|
画角 | 63° | 63° | 63.4° | 63.4° |
最小絞り | f/22 | f/16 | f/16 | f/16 |
レンズ構成 | 9群11枚 | 10群14枚 | 12群17枚 | 11群15枚 |
フィルターサイズ | 55mm | 67mm | 82mm | 67mm |
最短撮影距離 | 0.22m | 0.24m | 0.30m | 0.30m |
最大撮影倍率 | 0.24倍 | 0.23倍 | 0.19倍 | 0.19倍 |
防塵・防滴 | なし | あり | あり | あり |
重量 | 280g | 524g | 1090g | 645g |
最大径x長さ | 65.6x73 mm | 76x96 mm | 87.8x138.2 mm | 75.5x111.5 mm |
価格 | 約 65,000円 | 約 170,000円 | 約 140,000円 | 約 90,000円 |
35mm F1.8は圧倒的にコンパクトで軽いことがわかります。
単焦点レンズは、重いと持ち出さなくなることが自分の経験としてありますので、軽いということはかなりのメリットです。
35mm F1.2 DG DNやF1.4 DG DNは、以前にレビュー・比較記事を書いてますのでそちらもご参考ください。
外観
旅行に気軽に持っていけるサイズと重量です。
FE 35mm F1.8はSONYのGMレンズでもGレンズでもない無印レンズで、デザインはなんの変哲もなくシンプルですが、金属外装です。
タムロンの大三元レンズがプラスチック外装を採用する中、SONYレンズは無印でも質や高級感を担保していて、かなり好感が持てます。
それでいて重量は280gに収まっているので、日常使いするレンズとして文句のいいようがありません。
操作性も確保されています。
僕はボタン、スイッチ類がないタムロンのレンズも使うため、これらボタンとスイッチの操作にはイマイチ慣れません😅
35mm F1.4 DG DNを持ってるのに35mm F1.8を購入した理由
SONY 35mm F1.8を購入した理由
- 純正レンズが欲しかった(アクティブ手ブレ補正の効きがいい)
- 動画にも使うので35mmレンズが欲しかった
- 16-35mm F4 Gの軽さを経験したあと、軽いレンズを好むようになった
アクティブ手ブレ補正の効きがいい(比較動画あり)
実際に動画での手ブレが減り満足です。
動画にも使うので35mmレンズが欲しかった
35mmと50mmの単焦点で迷われる方もいらっしゃるかと思いますので、特徴を解説します。
35mm
- 画素数が多いカメラだと最悪APS−Cクロップできるということで35mm単焦点も割と使いやすい。
- 撮りたいものが決まってなくても気軽に使える。(50mmだと狭いことがある)
- 一緒に出かける仲間から離れることなく人物撮影ができる
- 動画で使いやすい(手ブレが目立ちにくい、そこそこ広い画角)
よりスナップ的にカジュアルに撮影したいなら35mmがおすすめです。
50mm
- 写真の無駄な部分を削ぎ落としやすい
- 背景をぼかしやすい
- ポートレートで使いやすい
- 映画のような雰囲気で撮れる
ポートレートなど、目的が撮影、ここぞというときに使うなら50mmがおすすめです。
同じような構図をAPS-Cクロップで撮影したのが⇩です。
僕が35mmを好む理由は、動画で使いやすく、さらにAPS−Cクロップで52.5mm相当の画角としても使えることです。
一方写真では、汎用性は高いものの作品作りという意味では50mmの方がしやすいのかなという印象です。(35mmの画角はしっかり構図を決めないと平凡な絵になりがち)
写真では画素数が減るので動画ほどAPS-Cクロップを気軽に使えるわけではないですし😅
軽いレンズが欲しかった
今までは重いレンズも平気でしたが、最近は撮影目的ではなく旅のついでの撮影が多くなりました。
そこで、16-35mm F4 Gを購入しましたが、軽さと描写のバランスに衝撃を受け、余計に軽いレンズを求めるように。
そこで35mm F1.8を購入したわけですが、35mmF1.4 DG DNより大幅にコンパクトで軽量です。
解像力
16-35mm F4 Gと28-200mmと35mm F1.8をマクロ域で比較
FE 35mm F1.8 >>>16-35mm F4 G >>> 28-200mmになりました。
FE 35mm F1.8の接写時の周辺描写は、絞ることでかなり改善することがわかります。
次に、FE 35mm F1.8の中心の描写をみていきます。
中心も絞れば絞るほど解像力が増していきますので、接写で解像力を確保したい場合は中心であっても絞りましょう!
開放でも実用的な解像力は秘めています⇩
F値開放で周辺に被写体を置いても、実用上十分な解像感です。
16-35mm F4 Gと35mm F1.8の遠景解像力を比較
同じF値で見ると、16-35mm F4 Gとほとんど変わらないことがわかります。
解像力という点での優位性はあまりないと言えますね。
24-105mm F4 Gと28-200mmと35mm F1.8の遠景解像力を比較
16-35mm F4 Gのときと同じように、解像力は24-105mm F4 Gとほとんど変わらないですね。
さすがに高倍率ズームよりは解像しますが😅
このレンズの遠景の解像力は小三元ズームと同等と思っていただければOKでしょう。
実写での解像力、コマ収差
↑見てのとおり、開放ではサジタルコマフレアがかなり発生するため、隅まで星をビシッと写したい方には向かないレンズと言えます。
F3.2まで絞れば隅も十分シャープですね。
SONY FE 35mm F1.8 のAF速度
タムロン28-200mm F2.8-5.6のAFと比較したときに、FE 35mm F1.8の動画AFは若干遅いです。
静止画ではほとんど差がなく、どちらも爆速です。
周辺減光
F8でもまだ隅が暗いことがわかります。
絞っても改善しないレンズは初めて見ました。
このレンズ最大のウィークポイントかもしれません
逆光耐性
逆光耐性の高い16-35mm F4 Gの35mmと比較すると、ゴーストとフレアが多く逆光耐性は悪い結果となりました。
とはいえ、コントラストは35mmの方が維持しているように見えます。
ゴーストでエモさを出しつつ、コントラストが高いので雰囲気のある描写に仕上がってますね😀
F値ごとの逆光耐性↓(わかりやすくするため、明るめに撮影してます。)
玉ボケ
このレンズは開放からかなり丸いボケを楽しめます。
開放からガンガン使っていけます。
F1.8のボケ量、ボケ感
シグマ35mm F1.4 DG DNとボケ感を比較した様子⇩
少し離れたときのボケ量⇩
フルサイズではF1.8のボケ感で十分だと感じました。
色収差
先程の写真を拡大すると色収差が発生していることがわかります⇩
これは、JPG撮って出しですが、RAWをLightroomで色収差補正にチェックいれても↑と同じように残ります。
↑のように、条件が悪ければ色収差が結構目につきます。
フォーカスブリージング
シグマ35mm F1.4 DG DNと比較してみました。
すこしわかりにくいかもしれませんが、SONY 35mm F1.8はフォーカスブリージングがかなり少ないですね。
一方シグマ35mm F1.4 DG DNは、かなりフォーカスブリージングが発生します。
F1.2のレンズやF1.4のレンズと迷っている方へ
35mm F1.2や1.4を使ってきた上で感じたことは、暗所ではF1.2 + F1.4単体を持ち歩くよりか、F1.8 + ストロボの方が期待値は高いということです。
F1.2とF1.8は1段違いますが、本当に暗いところでは1段の違いでどうすることもできません。
⇩は35mm F1.2 DG DNで撮影しました。
シャドウを持ち上げて、白いバイク部分を拡大してみます⇩
そもそもメインとなる被写体に光がなければ、F値1.2だろうがきついんですよね。
⇩はストロボで光をあてました。
F値より光があるかないかのほうが重要とわかります。
暗所でメインの被写体が静止物、例えば夜景スナップなら、被写界深度的に絞りたい状況が多々発生するので、F1.2とF1.4の優位性は減りますし。
では肝心のSONY 35mm F1.8⇩
↑ここでもストロボを使えばISO100で撮れますが、さすがに公共の場所での屋内では高感度に頼るしかないですね。
光があるところに被写体を移動するなどの工夫が必要ですね。
↑はクリップオンストロボなので画角の制限がありますが、画質としては良好になります。
最近旅行やおでかけが増えているので、F1.2やF1.4の巨大レンズを持ち運ぶよりか、F1.8の本レンズ + ストロボでこれからも持ち歩こうと思ってます。ということで、TT600より小型のストロボTT350を買いました!
もう少しクリップオンストロボでいい光の当て方があるか模索しているところです。昼間は直射でもそんなに光の硬さは目立たないんですがね。
35mm F1.8 (280g) + TT350(電池込み約250g) = 530g
こっちのほうが暗所での期待値が見込めます。
もちろん目的がポートレートであればF1.2やF1.4を使い環境光を多く取り込み、しっかりとライティングを組むのが一番画質は向上します。
また、画面周辺部に被写体を置いても開放から良好な解像力を確保したい、可能な限り背景のボケ量を増やしたい方もF1,2やF1.4の方がいいですね。
FE35mm F1.8 作例
↑の写真、かなり柔らかな描写で好みの雰囲気です。
↑はトリミングしたくなりますね🤣 50mmの方が使いやすいと感じる場面は多いのですが、動画撮影を考慮すると35mmの方が使いやすいです。
まとめ
冒頭のまとめを振り返ります。
- 小型軽量 (280g)
- 倍率0.24倍まで寄れる
- 接写時も絞ると良好な解像力
- 玉ボケが開放でも丸くて綺麗
- AFが静かで高速
- 操作性
ボタン、AFMF切り替えスイッチあり - 外装が金属製
- カジュアルで汎用性が高い画角
- 開放、隅の解像感
- コマ収差
- あまりにも大きい周辺減光
- 色収差が目立つ時がある
ボケ量に関してはフルサイズならF1.8でも十分だと感じました。
35mmの単焦点はF1.2とF1.4のレンズもかなり使いましたが、被写界深度が浅すぎて物撮りでは使いにくく、人物撮影でさえ瞳AFを外すことが増える印象です。
そういう意味では今の僕の用途では35mm F1.8で十分かなといった感じで、多分今後もこのレンズを使うことが増えると思います。
以上、35mm単焦点でお悩みの方の参考になれば幸いです😀
マイクロフォーサーズ レンズレビュー記事一覧 | ||
---|---|---|
単焦点 | ズーム | 比較記事 |
20mm F1.7 | 12-32mm F3.5-5.6 | 15mm F1.7 42.5mm F1.7 |
15mm F1.7 | 14-140mm F3.5-5.6 ii | 12-32mm 14-42mm |
42.5mm F1.7 | ||
9mm F1.7 |
各社高倍率ズーム比較記事一覧 | ||
---|---|---|
NIKON 24-200mm VR Z タムロン 28-200mm | CANON RF24-240mm IS USM タムロン 28-200mm | オリンパス 12-100 タムロン 28-200mm |
高倍率ズームとマクロ単焦点の違い
パンケーキ平凡ズームとパンケーキF1.7単焦点の違い
平凡ズームと大三元ズームの違い
大三元ズームレンズとF2.8ハーフマクロ単焦点レンズの違い
マイクロフォーサーズ平凡レンズとAPS-C平凡レンズの違い
マイクロフォーサーズ大三元レンズとAPS-C・フルサイズ小三元レンズの違い
※すべてのレンズでこのようになるわけではありませんが、傾向がわかるかと思います
カメラやレンズは高価なので購入するハードルが高い・・
- 購入前に実際に使ってから検討したい
- お子様の行事や旅行など、イベントで一時的に使用したい
- 人気の機材をお試しで使用してみたい
- サブスクで色々なカメラを使いたい
そんな方はカメラレンタルサービスを利用するのがおすすめです。
個人的にはカメラレンタルのサブスク「GooPass」がおすすめです。
コメント