マイクロフォーサーズには以下の沈胴式パンケーキズームレンズがあり、迷いますよね。
・LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6
・M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
これらレンズでぼくも迷っていましたが、実際に使用していて現在の自分には14-42mmが良いと思いました。
なぜそう思ったのか、2つのレンズの特徴、どのような方におすすめかを徹底解説します。
以下が結論まとめです。
- 特に隅の解像力
- 広角端12mm〜
- 径、重量(23g軽量)
- 手ブレ補正付き(過信禁物)
- 逆光耐性
- フォーカスブリージングが少ない
- 動画AFが速い
- 色乗り、コントラスト
- 3倍ズームの幅広い焦点域
- 薄さ(1.5mm薄い)
- 電源ONで自動繰り出し
- フォーカスリングあり
- 質感
- 寄れる
マイクロフォーサーズ レンズレビュー記事一覧 | ||
---|---|---|
単焦点 | ズーム | 比較記事 |
20mm F1.7 | 12-32mm F3.5-5.6 | 15mm F1.7 42.5mm F1.7 |
15mm F1.7 | 14-140mm F3.5-5.6 ii | オリンパス 12-100 タムロン 28-200mm |
42.5mm F1.7 | 12-45mm F4 PRO | 12-32mm 14-42mm |
9mm F1.7 |
仕様
仕様 | LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6 | M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ |
---|---|---|
メーカー | Panasonic | Olympus |
換算画角 | 24-64mm | 28-84mm |
防塵防滴 | x | x |
手ブレ補正 | ○ | x |
レンズ構成 | 7群8枚 | 7群8枚 |
最短撮影距離 | 0.20m | 0.20m |
最大撮影倍率 | 0.13倍(換算0.26倍) | 0.23倍 (換算0.46倍) |
絞り羽根枚数 | 7枚 | 5枚 |
フィルター径 | 37mm | 37mm |
重量 | 70g | 93g |
最大径x長さ | 55.5x24 mm | 60.6x22.5 mm |
メーカー希望小売価格 | 46,200円 | 46,200円 |
実売価格 | 24,350円 | 28,500円 |
同じようなスペックですが、焦点距離とサイズに差異があります。
あと14-42mmの方が寄れるのは魅力的ですね。
外観を比較
12-32mmは撮影時に自分の手でズームリングを回して繰り出す必要があります。これが面倒くさいか?と言われると人それぞれですが、個人的には気にならないです。
14-42mmはカメラの電源をONにすると自動で繰り出しますが、少し時間がかかります⇩
14-42mmはズームも電動ズーム。電動ズームは、動画で滑らかなズーミングができるという特徴があります。
ちなみに、12-32mmはフォーカスリングがありませんので、マニュアルフォーカスでの撮影は絶望的です。12-32mmは、オリンパスボディではそもそもマニュアルフォーカス撮影不可、Panaボディであればカメラ側でフォーカス位置を調整することが出来ますが、使用感はよくありません。
写真撮影での画角の違い。
12mmと14mmの画角の違い
14mmの画角は12mmの画角に比べて、1.16倍狭くなります。
12-32mmで14mmの画角で撮影することはできますが、14mm始まりの14-42mmでは、12mmの画角で撮影することはできません。当たり前のことですが😅
32mmと42mmの画角の違い
42mmの画角は、32mmに比べて1.31倍狭くなります。
↑の写真のように12-32mmの32mmをクロップして使うと42mmにすることができます。
ただ、1.31倍はなかなかのクロップ量で、画素数がかなり減ってしまいます。
1.31倍クロップ(トリミング)した際に残る画素数
- 2037万画素の場合 → 1182万画素に
- 1600万画素の場合 → 928万画素に
スマホで見る分には十分かもしれませんが、けっこうサイズが小さくなります。
ご自身が広角側をよく使うのか、もしくは望遠側をよく使うのかを把握してレンズ選択をしましょう。
動画撮影での自撮り、画角の違い、ボケ感をチェック
OM-5で電子補正をONにすると約1.25倍クロップされます。
オリンパス(OM)機は電子補正をOFFにして歩くと周辺がかなり歪むので、歩く場合は電子補正をONにすることを推奨します。
一人で自撮りするなら14mmでもなんとかなりますが、複数人の撮影だったり、もう少し顔を小さく写したいなら12-32mmの方が良いです。 もしくは更に広い9-18mmや9mm F1.7の方が安心ですね。
あと、動画を見ていただければわかると思いますが、フォーカスブリージングは12-32mmの方が少ないです。
12-32mm 14-42mm 解像力比較
↑の状況で様々な画角でハイレゾショットで撮影しました。
条件をあわせて撮影した写真を拡大して比較していきます。
12-32mmは32mmまでなので、42mmは12-45mm F4 PROの42mmと比較しました。⇩
解像力、描写力まとめ⇩
・中心
解像感はほぼ同じだが、14-42mmの方がコントラストが高い
・周辺
解像感はほぼ同じだが、14-42mmの方がコントラストが高く、色収差が少ない。
・隅
解像感は12-32mmの方が優れるが、14-42mmの方がコントラストが高く、色収差が少ない。
・中心
解像感はほぼ同じだが、14-42mmの方がコントラストが高い
・周辺
解像感はほぼ同じだが、14-42mmの方がコントラストが高い
・隅
開放では12-32mmの方が解像感が明らかに優れる。色収差は14-42mmが少ない
・中心
解像感はほぼ同じだが、14-42mmの方がコントラストが高い
・周辺
解像感はほぼ同じだが、14-42mmの方がコントラストが高い
・隅
解像感は開放では明らかに12-32mmが明らかに良好だがF8で差が少なくなる。色収差も似たりよったり
・中心
12-45mmの方が解像感が優れる。
・周辺
12-45mmの方が明らかに解像感が優れる。14-42mmを絞っても追いつかない
・隅
12-45mmの方が明らかに解像感が優れるが、色収差が発生している。
全域で同じような結果となりました。
まとめます↓
12-32mm
特に隅の解像感で14-42mmに勝るものの、全体的に霞んだような抜けの悪い描写です。
12-42mm
プロレンズには解像力が劣るものの、色収差が少なく、コントラストや色乗りが良いです。
開放では隅の解像力が落ち込みますが、絞ると12-32mmレベルにはなります。以前別の個体の14-42mmを使用して12-32mmと比較しましたが、開放でも12-32mmに勝っていましたので、個体差があるのかと思います。
AF速度
静止画でAF-S、AF-Cで撮り比べましたが、どちらも素早くピントが合い、大きく変わりませんでした。
ただ動画では12-32mmの方がワンテンポ速い結果となりました⇩
手ブレ補正
手ブレ補正ありの12-32mmとなしの14-42mm F3.5-5.6と比べると、12-32mmの方が32mm側での効きが良いように思いました。
広角側はレンズ内手ブレ補正の有無よりか、ボディ内手ブレ補正が重要という感じがします。
Panasonic公式の発表では、E-P7では12-32mmの手ブレ補正が効かないとのことですが、↑の動画では若干効いてる用に思います。 (歩き方が良く?)たまたまブレが少なかっただけの可能性もあります。
静止画でも撮り比べてみました。
・撮影距離は1.5mほど。
・14mm(換算28mm)で撮影しているので、手ブレ補正なしであれば1/30がほしい状況
↑の写真はE-M1 mark iiiと12-100mmで撮影した写真ですが、他の組み合わせでも撮影した結果を以下にまとめましたので、タップしてご覧ください
肝心の12-32mm F3.5-5.6ですが、今回の状況では手ブレ補正なしの15mm F1.7を使ったときと変わらないという印象でした。
一方、別シチュエーションで望遠でも撮り比べてブレのチェックを行いました。
①GX7MK2(4段) + 12-32mm F3.5-5.6の32mm
②GX7MK2(4段))+ 14-42mm F3.5-5.6の32mm
①と②で結果は、ほぼ変わりませんでした・・
結論として、12-32mmの手ブレ補正効果はかなり弱く、過信しないほうがいいと思いました。僕の手元にある12-32mmが不調なのかもしれませんが😅
14-140mmのレンズ内手ブレ補正はしっかり効くことがわかりますね。
手ブレ補正は被写体との距離や、その日の体力、運などによって変わりますし、主観的な要素も大きいです。
参考程度にお願いします。
最大撮影倍率
全域で14-42mmの方が寄れることがわかります。
14-42mmはかなり寄れますが、最短撮影時の描写は結構甘いです。
逆光耐性
逆光耐性は12-32mmも決してよくはありませんが、14-42mmは紫色のフレアがでて、これが個人的にはあまり好みではありません。
周辺減光
広角端で撮影しました⇩(補正前のRAW)
大きく変わりませんね。
まとめ、どちらのレンズがどのような方におすすめか
冒頭のまとめを振り返ります。
- 特に隅の解像力
- 広角端12mm〜
- 径、重量(23g軽量)
- 手ブレ補正付き(過信禁物)
- 逆光耐性
- フォーカスブリージングが少ない
- 動画AFが速い
- 色乗り、コントラスト
- 3倍ズームの幅広い焦点域
- 薄さ(1.5mm薄い)
- 電源ONで自動繰り出し
- フォーカスリングあり
- 質感
- 寄れる
ちなみに、12-32mmは(少なくとも僕の手元にある個体は)コントラストが低いような霞んだ写真になりますが、これは写真編集ソフトでコントラストをあげれば回復します。JPG撮って出しでは、やはり14-42mmの方が色乗りがよくコントラストが高くなりますが😅
14-42mmの方が径が大きくて23g重いですが、薄いので14-42mmの方がカバンに収まりやすく運びやすいです。
動画撮影が多い方は12-32mmがおすすめ。(AF速度,フォーカスブリージングの少なさ、広い画角)
あと、パナボディの方はどちらを選んでもいいですが、オリンパス(OM)ボディの方は、MFが使える14-42mmを選ぶのが無難かと思います。
ご自身の状況や用途によって選んでください😀
強いて僕のおすすめをいうのであれば、14-42mmです。現在OM-5で使用しているので、12-32mmの手ブレ補正は不要で、MFで撮影できるというのが大きいです!あと、最近は望遠側のほうが好きで、42mmは中望遠なのでスマホとは違う絵を出しやすいと思いました。
今回の記事が参考になりましたら幸いです。
マイクロフォーサーズ レンズレビュー記事一覧 | ||
---|---|---|
単焦点 | ズーム | 比較記事 |
20mm F1.7 | 12-32mm F3.5-5.6 | 15mm F1.7 42.5mm F1.7 |
15mm F1.7 | 14-140mm F3.5-5.6 ii | 12-32mm 14-42mm |
42.5mm F1.7 | ||
9mm F1.7 |
各社高倍率ズーム比較記事一覧 | ||
---|---|---|
NIKON 24-200mm VR Z タムロン 28-200mm | CANON RF24-240mm IS USM タムロン 28-200mm | オリンパス 12-100 タムロン 28-200mm |
カメラやレンズは高価なので購入するハードルが高い・・
- 購入前に実際に使ってから検討したい
- お子様の行事や旅行など、イベントで一時的に使用したい
- 人気の機材をお試しで使用してみたい
- サブスクで色々なカメラを使いたい
そんな方はカメラレンタルサービスを利用するのがおすすめです。
個人的にはカメラレンタルのサブスク「GooPass」がおすすめです。
高倍率ズームとマクロ単焦点の違い
パンケーキ平凡ズームとパンケーキF1.7単焦点の違い
平凡ズームと大三元ズームの違い
大三元ズームレンズとF2.8ハーフマクロ単焦点レンズの違い
マイクロフォーサーズ平凡レンズとAPS-C平凡レンズの違い
マイクロフォーサーズ大三元レンズとAPS-C・フルサイズ小三元レンズの違い
※すべてのレンズでこのようになるわけではありませんが、傾向がわかるかと思います
コメント