フルサイズはマイクロフォーサーズの約4倍センサーサイズが大きいが故に、ノイズ耐性やダイナミックレンジに余裕があると言われます。
フルサイズとマイクロフォーサーズのダイナミックレンジの違い⇦本記事
今回はダイナミックレンジでどれほどの差が出るのか検証します。
パナソニックGX7MK2とソニーa7iiiで明暗差が激しいシチュエーションで撮影してきましたので、ダイナミックレンジ、レタッチ耐性を比較したいと思います。
使用したレンズは
SIGMA 24-70mmF2.8 DG DN ART
PANASONIC LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6で、値段と大きさがかなり違うレンズとなってます。
今回使用するカメラとレンズの価格を合計すると
マイクロフォーサーズ約7万円
フルサイズ約30万円といった感じです。
重量差はそれぞれ1480gと430gと大きいです。
そしてa7iiiとGX7MK2のセンサー性能はこちら
GX7MK2 | E-M1 mark ii | a6400 | a7iii | a7iv | |
---|---|---|---|---|---|
Overall Score (RAWによる センサーの総合点) | 71 | 80 | 83 | 96 | 97 |
Color Depth (色の再現域と分離) | 22.9 | 23.7 | 24 | 25 | 25.4 |
Dynamic Range (ダイナミックレンジ) | 12.6 | 12.8 | 13.6 | 14.7 | 14.7 |
ow-Light ISO (DxOの基準で許容できる 最高のISO感度) | 662 | 1312 | 1431 | 3730 | 3379 |
マイクロフォーサーズとフルサイズのダイナミックレンジを比較
今回の写真は全てRAW写真を編集しています。
そして←の写真がマイクロフォーサーズ、→の写真がフルサイズです。
一つ目の作例
↓の写真。かなり明暗差が激しいシチュエーションです。
−2EVで撮りハイライト、シャドウを調整


マイクロフォーサーズは太陽の白飛び部分が多く、シャドウよりもハイライトの余裕がない感じがあります。
次の-1EVではノイズが発生しなかったので、なにかの不具合なのか?
ここが黒つぶれの境目なのかもしれません。
−1EVで撮りハイライト、シャドウを調整


むしろ壁にもピントが合っているマイクロフォーサーズのほうが綺麗という印象です。
±0EVで撮りハイライト、シャドウを調整


光芒の出方が違います。
太陽の形が綺麗なのは11枚の方ですが、長い光芒がしっかり出ているのは7枚ですね。
+1EVで撮りハイライト、シャドウを調整


+2EVで撮りハイライト、シャドウを調整


フルサイズのほうは−2〜+2EVまで太陽の形が安定していますね。
±0EVを拡大して比較


それくらいの違いしか感じませんね。
今回の作例では騒ぎたてるほどフルサイズが優位と思えませんでした。
2つ目の作例
↓の写真を使って比較します。


青空でしたが白く飛びかけていて、手前の物体は黒潰れしています。
それではハイライトを下げシャドウを持ち上げてみます。


注目すべきは暗部ですね。
ダイナミックレンジが狭いからか、マイクロフォーサーズの写真にはノイズがかなりあります。
いやーしかし、ダイナミックレンジの比較って難しいです。
なにかもっと良い比較方法を見つけたらまた、記事を更新します。
編集で露光量をあげたときのノイズ感
↑の写真の露光量とシャドウを持ちあげたのが↓
フルサイズは暗所手持ちで被写界深度が浅すぎるのがデメリット
マイクロフォーサーズはシャドウよりもハイライトの方が厳しい。
GX7MK2で撮影していると、「え!この露出で撮って白飛びしてるの?」っていう時があります。
ハイライトを下げ、シャドウをあげてみた↓
シャドウはこれくらいあげても全然気にならないが、まさか、ハイライト・・白飛びしてる??
拡大↓
撮り比べたわけではありませんが、フルサイズカメラなら白飛びしていないと思います。
条件が悪くなければ差はほぼ出ない。


レンズはパナ45−175mm(約3万円)とタムロン70−180mm(約10万円)です。
一応拡大します。


解像感に差がありますが、レンズの解像性能のほかに、1600マン画素と2400マン画素による違いもあります。
しかし、ここまで拡大しなきゃでないくらいの差です。
同じF値で撮影しているためフルサイズの方がボケていますね。
最後に
冒頭に申し上げた価格差やサイズ差を考えると、趣味でやる層にとってはマイクロフォーサーズでも十分に楽しめると思います。
ただ、全ての状況でマイクロフォーサーズとフルサイズがほぼ変わらないというわけではなく、フルサイズにだけ出せる繊細感や透明感といったものが存在しているのも事実です。
(少しでも画質がいいほうがよくて、お金に余裕のある方はフルサイズにしておくのが無難ではあります。)
逆光や暗所で撮る機会が多い方は上位機種のオリンパスE-M1シリーズやパナG9などはGX7MK2より二段階くらい高性能なセンサーが積んでいますのでご検討ください。
レンズを複数買うことを考慮すると、フルサイズを買うよりかは圧倒的に安くつきます。
その他にも
①ストロボを使う。 (8000円)
②露出ブレンドをする。(Lightroom or Photoshop)
③画像スタックする。 (Photoshop)
④ハーフNDフィルターを使う。(25000円)
⑤DxO PureRAWを使う。 (12900円)
合成に抵抗なければ、手軽さと汎用性の面から露出ブレンドはおすすめですが、静止物にしか使えません。
総合的に見るととりあえず⑤が最強といった感じです。

マイクロとフルサイズの中間に位置するAPS-Cは良く言えばバランスがいい。悪く言えば中途半端でどっちつかずといったフォーマットです。
APS-Cを販売する各社はフルサイズカメラも製造しているため(富士を除く)APS-Cはどこか妥協したような設計になってる感じがあります。
マイクロフォーサーズは利益率が低いため、開発設計費に余裕がないことが予想されますが、オリンパスもパナソニックもマイクロフォーサーズにはかなり力を入れている為、コストパフォーマンスは結構いい印象です。
スマホに食われそうな未来が心配ではありますが、撮る楽しさはスマホでは味わえません。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
今回の話が役に立ちましたら幸いです。
僕の結論↓

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