ニコン、パナソニック、キャノン、SONY 4社がひしめきあう市場。(細かくいうとシグマもボディを販売している。)
今回はその中でも、人気が高いであろう2400万画素前後、各社スタンダードモデルのスペックを比較します。
今回比較するカメラ
・ニコン Z6
・ニコン Z6ii
・Panasonic S5
・Canon R6
・SONY a7iii
※スチル撮影に重点を置いた考察となっています。
主要スペック比較
a7iii(SONY) | S5(Panasonic | Z6(ニコン) | Z6ii(ニコン) | R6(Canon) | |
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価格 (2021年5月) |
¥196,330 | ¥227,680 キット¥279,770 | ¥167,787 | ¥237,999 | ¥300,000 |
発売日 | 2018/3/23 | 2020/9/25 | 2018/11/23 | 2020/11/6 | 2020/8/27 |
マウント | Eマウント | Lマウント | Zマウント | Zマウント |
RFマウント
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有効画素数 | 2420万画素 | 2420万画素 | 2450万画素 | 2450万画素 |
2010万画素
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モニター | チルト3.0型 / 約92万ドット | バリアングル3.0型/184万ドット | チルト3.2型/210万ドット | チルト3.2型/210万ドット |
バリアングル3.0インチ /162マンドット
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ファインダー | 236万ドット | 約236万ドット | 369万ドット | 369万ドット |
369万ドット
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連写 | 約10コマ/秒のAF/AE追随 | AF-S約7コマ/秒 AF-C約5コマ/秒 |
約5.5コマ/秒 最大約12コマ/秒(拡張) |
約5.5コマ/秒 最大約14コマ/秒(拡張) |
メカ約12コマ/秒
電子約20コマ/秒 |
シャッター速度 | 1/8000-30秒 | メカ1/8000~60秒 電子先幕:1/2000秒〜60秒 |
1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 |
メカ/電子先幕: 1/8000-30秒
バルブ、電子: 1/8000-0.5秒 |
フラッシュ 同調速度 |
1/250秒以下 | 1/250秒以下 | 1/200以下 | 1/200以下 |
1/250秒以下(電子先幕)
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重量 | 565g. 650g(総重量) | 630g.714g(総重量) | 585g.675g(総重量) | 615g.705g(総重量) |
598g.680g(総重量)
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手振れ補正 | 5.0段 | 5.0段(Dual I.Sレンズ使用で6.5段) | 5段 | 5段 |
最高8段分
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防塵防滴 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
AF測距点 | 693点像面位相差, 425点空間認識AF |
コントラストAF225点 | 像面位相差273点 空間認識273点 |
像面位相差273点 空間認識273点 |
コントラストAF+
像面位相差AF最大1053分割 |
動画 | 4k30p(クロップ),FHD120p | 4k60p(クロップ).FHD120p | 4k30p FHD120P | 4k30p FHD120P |
4K 60p FHD120p
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カードスロット | ダブルスロット1. UHS-I/II 2.UHS-I |
ダブルスロット1. UHS-I/II 2.UHS-I |
シングルスロット、 XQDカード |
CFexpress(Type B) XQDカード, SD UHS-ii |
ダブルスロットUHS-II
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シャッター耐久 | 20万回 | 不明 | 20万回 | 恐らく20万回 |
約30万回
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シグマ、 タムロンの参入 |
◎ | ○(シグマのみ) | x | x | x |
商品画像 |
R6は奥行きも高さも確保されていて、a7iiiは奥行きも高さも足らない。
ではスペックを上から順に詳しく見ていきましょう。
画素数
Canonだけ独自のセンサーで2010万画素です。
a7iii | S5 | Z6 | Z6ii | R6 | |
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DxOMark総合スコア | 96 | 95 | 95 | 95 | 90 |
色再現 | 25 | 25.2 | 25.3 | 25.3 | 24.2 |
ダイナミックレンジ | 14.7 | 14.5 | 14.3 | 14.3 | 14.3 |
高感度 | 3730 | 3333 | 3299 | 3299 | 3394 |
通常画素数が低いカメラほど、解像度以外の性能は高くなりますが、EosR6は画素数が低いにも関わらず色再現が他機種よりも劣っているのが気になります。
その他のカメラは全てa7iiiと同じセンサーを使っているはずですが微妙に性能が違います。
恐らく各メーカーの味付けと言ったところでしょうか。
AF測距点
R6が一番優秀で、飛んでいる鳥の瞳にもピントが合い続けます。
Z6iiは測距点はZ6と同じですが画像エンジンが
EXPEED 6を2基搭載するデュアルEXPEEED 6に変更となったため
連写スピードやAF速度が改善しました。
S5のみコントラストAFのみを採用しています。
ただ、S5からパナソニックのAFのアルゴリズムが変わり従来のコントラストAFを搭載したパナソニック機種よりAF速度が向上しました。
それでも像面位相差AFほどのレベルには達していないです。
像面位相差AF センサーの中に被写体との距離を検出する別途センサーが埋め込まれている。
メリット →ピントあわせが速いので動きものにも強い。 デメリット →光を感知する限られたセンサーのスペースの 一部がAFセンサーにも使われていることによって、 画質の劣化が起こる可能性がある。 また、精度がコントラストAFに比べて低い。
コントラストAF レンズのフォーカスを前後に動かして、コントラストが激しい部分が
ピントが合っている部分とする方式。
メリット →精度が高い。 (ピントの位置が間違っていることが比較的少ない。) デメリット →ピントが前後に動く時間がかかるので、 比較的AFスピードが遅い。 これが動画撮影のウォブリングにつながります。
カードスロット
Z6だけシングルスロットかつ、XQDカードというメモリーカードのみ対応でしたがZ6iiになりダブルスロットになり、CFexpress(Type B)に対応している。
SD (UHS-i) | SD (UHS-ii) | XQD カード | CFexpress (Type B) | CFexpress (Type A) |
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128GB価格 (執筆時点) | ¥1880 | ¥12970 | ¥14800 | ¥19601 | ¥37800 |
読み込み速度 | 100MB/秒 | 300MB/秒 | 440MB/秒 | 1700MB/秒 | 800MB/秒 |
書き込み速度 | 100MB/秒 | 260MB/秒 | 400MB/秒 | 1500MB/秒 | 700MB/秒 |
商品リンク | Amazonで見る | Amazonで見る | Amazonで見る | Amazonで見る | Amazonで見る |
※価格は全て2021/11/14時点での価格です。
※Type Aだけ160GBの価格です。128GBがない。
iiはiよりおよそ3倍の速度で読み書きができますので、
連写やパソコンなどで読み込むときに有利です。
CFexpress(Type B)はUHS-iiの5倍以上の書き込み速度です。
2400万画素なら全く途切れることなく余裕の連写ができそうですね。
R6はダブルスロットともにUHS-ii対応になりますが価格を考えると片側だけでもCFexpress(Type B)に対応してほしかったですね。
2000万画素なので、そこまで問題にはならないとは思いますが。
自分は片方スロットのみUHS-iiのa7iiiを使用しており、UHS-iに比べると圧倒的に快適な連写が可能ですが、数十枚連写するとバッファがいっぱいになって、連写中断される瞬間がきます。
2021/11/14現在の水準でいくとUHS-iiですら古いと感じますね。
ちなみに4200万画素のa7RiiiもUHS-ii+UHS-iを採用していて、さすがにこの画素数にもなると連写したときの書き込み待ちが辛いです・・
連写
Nikonの2機種は連写モードを拡張モードにすると
フリッカーレス撮影とストロボが使えません。
特に体育館など室内で連写する方は注意が必要です。
それさえクリアできれば優秀な連写性能ですね。
R6も優秀。
a7iiiも十分な性能ですね。
パナソニックS5はAF追従では秒間5コマと、少し低水準のスペックとなっています。
一瞬の水飛沫を撮りたい場合など、マニュアルでフォーカス固定して連写する場合もありますが、大抵の場合動き物を連写で追うことが多いと思いますのでAF追従で連写することになります。
S5はコントラストAFを採用していることもあり動きものを撮影する方は選びにくいチョイスとなります。


重量
a7iiiが一番軽いですね。
S5はS1から大幅に軽くなったとはいえ、それでもまだ他社より重いです。
パナ機は動画撮影にあたっての熱対策なのかボディが大きいものが多いです。
EVF
R6=Z6>S5>a7iiiですね。
モニター
Z6が一番いいですね。
バリアングルモニターがいい方は
S5かR6になります。
バリアングルモニター メリット ・動画での自撮りに便利 ・ローアングル、ハイアングルの縦構図が撮りやすい。 デメリット ・出し入れの手間、ボディ剛性の低下 チルト式モニター メリット ・カメラを出してすぐに撮影できる。 ・横構図の水平が撮りやすい。 デメリット ・自撮りで自分を見ることが不可能。 (外部モニターかシューにとりつけるミラーに頼るしかない) ・ローアングル、ハイアングルの縦構図が撮りにくい。
シャッター
ハイスピードシャッターはどれも1/8000
晴れた日に屋外でF1.4以下のレンズを使うとなると、NDフィルターが必要になってきます。
スローシャッターはPanasonicは60秒まで露光可能になっています。
もちろんどのカメラでもバルブモードにすれば無限に露光が可能ですが、押し続ける必要があるため別途レリーズを購入するのが現実的です。
自分はできればレリーズは出したくないため、パナの60秒はありがたいですね。(60秒でも足らないことはありますが・・)
手振れ補正
R6は最大8段分とダントツ。
パナソニックの手ぶれ補正は割と評判がよく、
Dual I.Sのレンズと組み合わせれば強力な手ぶれ補正が得れると思います。
動画
動画を撮る方はS5かR6かa7iiiが無難です。
S5
4K60pが撮れるが、1.5倍クロップ。
R6
4k60pがクロップ無しで撮れるが、長時間回すと熱停止する。
a7iii
4k30p(1.2倍クロップ)までしか撮れませんがそれでいい方は無難です。4k24pならクロップはなくなります。
動画性能を重視される方は↓の記事が参考になると思います。
シャッター耐久
キャノンだけ他社より多い30万回を謳っています。
長く使い続けるつもりの方は重視しましょう。
シグマ、タムロンの参入
これは個人的には一番重要です。
純正レンズよりお安く高性能レンズが使えることは多大なメリットになります。
ただ、以下のデメリットもあります。
- AF性能は純正レンズよりも劣ります。
どうやらカメラメーカーはサードパーティ製レンズとのAF情報伝送速度に制限をかけているとの噂を耳にしました。 - 連射が遅くなる
例えばSONYのa1は30コマ/秒の連写は純正レンズのみで、サードパーティ製レンズを使うと15コマまで制限されるようです。 - 暗所でのAFが純正レンズに比べて合いにくい。
特にAF-Sはもたつく。
これらを踏まえても高い光学性能を有したレンズが純正の約半額で買えるのはバーゲンプライスだと思います。
価格(2021年5月)
a7iiiとZ6が圧倒的に安くなっています。
Z6の中古相場は10万ちょっとのため、中古でいい方はZ6はバーゲンセールとなっています。
動きものを取らなければZ6iiとの違いはほぼありません。
対して圧倒的に高いR6ですが、
・連写
・手ぶれ補正
・AF
・動画性能
これらが他社のワンランク上なので納得の値付けといった印象です。
結論、どれを買うべきか?
動き物を撮る場合(飛行機、電車、車、バイク、人、動物など)
安く済ませたい
→a7iii
a7iiiは前の機種にもかかわらず、未だに比べられる土俵にいること自体が圧倒的凄みです。
新品でも20万きっているため、おすすめです。
性能がよければ高くてもいい
→R6
レンズを含めるとかなりの予算が必要になりますので注意が必要です。(タムロンシグマのレンズが使えない。)
静止物しか撮らない場合(風景、夜景、物撮りなど)
→Z6(中古)or a7iii or S5
この場合は中古のa7Riiiもだいぶ安くなり、18万円ほどで買えますのでおすすめです。
Z6
ボディはお買い得なのですが、R6とおなじく純正レンズを使うことになり、選択肢が少ない上に高価です。
a7iii
サードパーティレンズでいいならかなり安く済むためトータルで他社よりかなり安いです。
S5
画質自体は優秀で、シグマが使えるのでおすすめなのですが、タムロンは使えないことと、コントラストAFに注意が必要です。(静止物の撮影なら問題なし。)
撮る物が決まっていない場合
安く済ませたいならa7iii
高くてもいいならR6
R6は手ぶれ補正、動画性能、AF、連写がa7iiiのワンランク上です。
この2機種は基本的になんでも撮れますので、
買ってから、「動きものも撮りたい!」と思ったときにも問題なく撮れます。
パナソニックの操作性はかなりいいですし、ニコンは純正レンズが大変評判が良く、ものすごい光学性能を誇っています。
このような各社の特徴も考慮してカメラ選びをしましょう!
筆者がa7iiiを使っていての感想
結論をいいますと、以下の理由から満足しています。
・他社よりもレンズの選択肢が多い
Eマウントはフルサイズミラーレスの歴史が一番長いので、多くのレンズが販売されています。
・AF性能が良好
さすがにR6や最新のSONYカメラに比べると劣ります。
・安い
レンズもボディも安いので、性能の割に安いので、トータルで他社とはかなりの差です。
以下のように、ちまたでデメリットといわれる部分は改善可能。
・使いづらいといわれるSONYの前世代のUI
お気に入りメニューに項目を自由に追加することができるため特に不満はありません。
・グリップが小さく小指が収まらない
InponさんのL型プレートを装着することで小指の置き場所を確保できます。
これをつけても他社と変わらないサイズ感なので不満はありません。
・センサーにゴミがつきやすい。
買って半年ですでにごみがたくさんついていましたが、自分でセンサークリーニングすることで除去完了。
こちらのメンテナンスキットについていたセンサークリーニングスワブというものを使いました。6つセットなので当分使えます。
ネットでは「自己責任です!」と恐怖を煽られますが、意外と簡単に取れるのでおすすめです。(自己責任です!笑)
R6やSONYの最近のカメラはレンズ交換時、自動的に膜が閉じセンサーが保護されるので羨ましいですね。
その他フルサイズエントリー向けカメラを軽く紹介
エントリー向けではあるものの、しっかりとフルサイズセンサーを搭載しており侮れないカメラたちです。
SONY a7c
センサーがa7iiiと同じなので画質もほぼ同じ性能を誇っている。

a7iiiより悪い点
・ファインダーが小さく見づらい。
・最速シャッター速度が1/4000に制限される(a7iiiは1/8000)
・ストロボ同調速度が1/160に制限される(a7iiiは1/250)
a7iiiより良い点
・AF追従性能が改良され、リアルタイムトラッキングや、動画時の瞳AFに対応。
・バリアングルモニター搭載
・かなりコンパクトで軽量
a7ユーザーは動画も撮られる方が多いので、これらが魅力的に感じるかたも多いでしょう。
最大の違いであるサイズは、確かにa7cの方が小さいですが、フルサイズカメラはレンズが大きいので、大きいレンズを付けた時にバランスが悪くなります。
どちらかというと軽量レンズをつける予定の方におすすめです。
NIKON Z5

Z6の廉価版です。
Z6との違い
・液晶モニタが104万ドット(Z6は210万)
・ISO3200を超える高感度でZ6よりもノイズが目立つ
・連写速度が最速4.5コマ/秒
・4K撮影時1.7倍クロップされる。(画角が狭くなる)
CANON EOSR

EOS RはCANONが初めてだしたフルサイズミラーレスカメラで、試行錯誤していた段階に出した機種です。
手ぶれ補正がない上に、AF性能やセンサー性能も最新の物より劣ります。
CANON EOS RP

こちらはEOS Rの後に発売された小型軽量廉価版です。
RPがRより劣る点
・画素数が少ない
・レンズ交換時の自動シャッター膜開閉
・連写速度
少しでもサイズを小さくしたい方、価格が安いのがいい方はいい選択だと思います。
おわり
以上のように各社、スペックには表れない特徴がありますが、基本的には撮る被写体でカメラを選ぶのが一番後悔が少ないと思います。
a7IVの価格が10万円ほど高くなってしまいましたのでa7iiiは今でもおすすめです。
少しでもカメラ選びの参考になれば幸いです。
カメラやレンズは高価なのでレンタルもおすすめ。
カメラ機材は高価なので購入するハードルが高い・・
- 購入前に実際に使ってから検討したい
- お子様の行事や旅行など、イベントで一時的に使用したい
- 人気の機材をお試しで使用してみたい
- サブスクで色々なカメラを使いたい

そんな方はカメラレンタルサービスを利用するのがおすすめです。
個人的にはカメラレンタルのサブスク「GooPass」がおすすめです。
Lv4パス:月額 税込19,580円で1ヶ月借りることが可能(その間、別の機材に取替放題。)
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僕はこれまでGooPassを何回も利用しましたが、カメラレンタルサービスの中で最強だと思いました。
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・「借りたいときに在庫がなく借りれない・・」
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以上の理由からGooPassは大変おすすめです。
GooPassについて詳しく知りたい方はこちら↓
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