・Fujifilm X-S10
・SONY a6400
この2機種で迷われている方へ向けて、AFや使い勝手など、どちらが優れているかを書きます。
結論からまとめます。
- 手ブレ補正が強力(圧倒的)
- 6段補正搭載の割には異常に軽い。
- JPG撮って出しの色
- グリップ
- TYPE-C端子
- バリアングルモニター(個人的に)
- 画質(画素数、ISO感度耐性)
- AFの安定性、精度、追従
- 携帯性
- 防塵防滴
- シャッター音(個人的に)
操作性は一長一短ですが、個人的にはクイックメニューに柔軟性があり、タッチジェスチャーが使えるX-S10のほうが好きです。
それでは詳しく見ていきます。
スペックを比較
a6400 | X-S10 | |
---|---|---|
相場価格(2023/01/04) | 108000円 | 109000円 |
幅x高さx奥行き | 120x66.9x59.7 mm | 126x85.1x65.4 mm |
総重量 | 403g | 465g |
発売日 | 2019/2/22 | 2020/11/19 |
有効画素数 | 2420万画素 | 2610万画素 |
液晶モニター | 180°チルト3インチ 92.16万ドット | バリアングル3インチ 104万ドット |
ファインダー | 236万ドット 換算0.71倍 | 236万ドット 換算0.62 倍 |
連射(メカ) | 最高約11コマ/秒 | 約8コマ/秒 |
連射(電子) | 最高約11コマ/秒 | 約30コマ/秒 (1.25Xクロップ) |
シャッタースピード(メカ) | 1/4000~30秒 | 1/4000秒~15分 |
シャッタースピード(電子) | 1/4000~30秒 | 1/32000秒~15分 |
フラッシュ同調速度 | 1/160秒 | 1/180秒以下 |
手ブレ補正 | x | ○6段 |
防塵防滴 | ○ | x |
AF(測距点) | 位相差425点/コントラスト425点 | 位相差+コントラスト(最大425点) |
AF(顔認識) | ○人物瞳AF、動物瞳AF○ 動画は顔認識のみ | ○瞳AF(動画も可) |
動画性能 | 4k30p(4:2:0,8bit) 約1.2倍クロップ | 4k30p(4:2:0,8bit)内部 4K30P(4:2:2,10bit)外部 |
タッチ操作 | タッチ操作○ | タッチ操作○ |
カードスロット | シングル(UHS-i) | シングル(UHS-i) |
充電端子 | MicroUSB (USB給電可) | TypeC (USB給電可) |
商品リンク | Amazon 楽天 Yahoo | Amazon 楽天 Yahoo |
・TypeCではなくMicroUSB
・防塵防滴に対応
・シャッタースピードの最速が1/4000なので、明るい単焦点を日中屋外でF値開放で使用する場合NDフィルターの用意が必要
・4K30Pがクロップされる。
X-S10のポイント
・若干重量が重いが、6段分の手ブレ補正の割に軽い。
・電子シャッターは1/32000までなので、単焦点レンズで日中屋外撮影時に便利
外観サイズや携帯性を比較
レンズを装着したまま持ち運ぶ方であれば、グリップよりレンズが飛び出るのでグリップが大きいカメラが携帯性が落ちるというわけではない。
レンズを外して持ち運ぶ方は、グリップ分かさばることになるので大きいグリップのカメラは運びづらい。あとお店でテーブルなどに置いたときにグリップがあると少し大きく威圧感があると感じます。
ISO感度耐性を比較
以下の組み合わせで撮影し、ISO感度耐性を比較しました。
・X-S10 + 16-80mm F4
比較をする前はそんなに変わらないと思ってました。
ただ、実際にはX-S10のほうが圧倒的にノイズが少ない結果となりました。
どちらも16mmで撮影したRAW写真をそのまま拡大した写真
カラーノイズを除去しないとノイズが出すぎて比較がしづらいので、Lightroomで25にしてます。
一つ気になるのはa6400のほうが解像感が高いこと。
16-35mm F4のほうがズーム倍率が少ないが故に解像感が高くなっている可能性が高いです。
つまり、200万画素の違いは、レンズの解像力によって逆転することがあると考えております。
モニターを比較
a6400はチルト、X-S10はバリアングルで、それぞれ以下の特徴があります。
バリアングルモニター メリット ・動画での自撮りに便利 ・ローアングル、ハイアングルの縦構図が撮りやすい。 デメリット ・出し入れの手間、ボディ剛性の低下 ・横構図静止画を撮影時、使い勝手がチルト式に劣る。 チルト式モニター メリット ・カメラを出してすぐに撮影できる。 ・横構図の水平が撮りやすい。 デメリット ・自撮りで自分を見ることが不可能。 (外部モニターかシューにとりつけるミラーに頼るしかない) ・ローアングル、ハイアングルの縦構図が撮りにくい。
簡易的な自撮りが可能になるが、モニターの下半分はカメラの死角になり見えにくい。
a6400のモニターではどうあがいてもローアングル縦構図での写真は撮りづらい。
ここは好みがわかれるところですが、個人的にはバリアングルモニターが好みです。
輝度はa6400の方が明るい印象です。
操作性の良い点、悪い点を比較
X-S10のフォーカスレバーは完全に十字キーの代わりになっていて、ほぼすべての操作を行う必要があります。慣れればなんとかなりますが、これがいいかと言われたら個人的には微妙です。カスタムできないですしね・・
ただ、クイックメニューとジェスチャーがあるので恐らくほぼ困らないと思います。
AF認識、速度を比較
a6400のAF
※動画は再生すると音がでます。
・a6400はa7iiiとほぼ同じ操作感とAF
・静止画の瞳AFは犬猫はいけるけど鳥認識は無理。
・動画では人物の瞳AFに対応していないが、顔は認識するのでAPS-Cの被写界深度なら大半の状況でなんとかなる。
・AFは静止画でも動画でも基本キビキビだけどa7IVなどには負けます。(a7iiiとa7IV AF比較)
・マスクをしていると顔認識すらしないが、被写体としてしっかり認識され、速度追従ともに問題ない。
・AF枠の外の顔を認識した場合、枠内よりも顔が優先される。
・静止画でも動画でも瞳認識に対応。
・人物以外の被写体認識は対応していない。
・a6400に比べると被写体にピントが合いづらく、追従も甘い。
・瞳、顔の認識性能は若干X-S10のほうが上。
・マスクしていると認識しない。顔どころか身体にもピントをあわせてくれない。
どちらも共通する点としてはマスクをしていると瞳も顔も認識しない。(よほど近距離じゃない限り)
sony a7IVやCANON R6、Pana S5なんかはマスクしていても瞳AFが働きます。
一方X-S10は鳥に限らず、合わせたいところにあってくれない印象です。
同じ状況でパナソニックG9PROやS5は動物認識が働き、a7IVやR6は鳥瞳AFが働く。
まとめると、X-S10のAFはニコン Z6のAFに似ています。SONYとCANONには2段階、オリンパスにも1段階劣る印象です。
致命傷にはなりませんが、a6400に比べると明らかに弱いです。
X-S10 AF迷うシーン↓
近距離でのAF追従↓
手ブレ補正を比較(写真と動画両方)
a6400の手ブレ補正
静止画
a6400にレンズは28-200mmを付けて換算82.5mmで撮影したときの体感
・シャッタースピード1/40 でブレない確率30%
・実際につかうならシャッタースピード1/60
・安心できるのは1/80
5段手ブレ補正付きのSONY機 a7iiiなら。
・シャッタースピード1/13で60%くらいの確率で撮影可能。
・実際に使うなら1/25は確保したい。
・より確実性を確かめるなら1/40以上。
a6600も5段手ブレ補正なので、↑のような感じになるかと思います。
動画
X-S10に手ブレ補正つきレンズ18-55 F2.8-4を装着して換算82.5mmで撮影
・シャッタースピード0.4(1/2.5)秒までは80%の確率で撮影可能。
・0.5(1/2)秒より遅くなると途端にブレ始める。
・実際に使うなら、1/6秒は確保したいかなという感じ。
・確実性を求めるなら1/10か。
ちなみに5.5段補正のE-M5 mark iiiに、手ブレ補正のない12-40mmをつけて40側(換算80mm)で撮った時もX-S10と同じような感じです。
あくまで僕の体感の話ですが、FUJIFILMの6段補正静止画ではオリンパスでいう5〜5.5段レベルにあると思ってます。
すべて電子シャッターで撮りましたが、ここまでシャッタースピードを落とすとフリッカーは目立ちません。
手動で電子シャッターに切り替える必要があるので、ぼくはクイックメニューに「シャッター形式」を登録しています。
これだけ手ブレ補正が効くのに、低速限界の設定できる最低速が1/4なのはかなりもったいないと思いました。
動画
手ブレ補正ON , 電子式ON , ブーストOFFで歩きました。
動画の手ブレ補正の違いも歴然で圧倒的に富士フイルムのほうがきくが、周辺がグワングワン。
普通のペースで忍者歩きで歩きましたが、ゆっくり歩いたらもう少し手ブレを抑えられそうです。
これまで検証した中で動画手ブレ補正が効く順
E-m1 mark ii = E-M5 mark iii > G9 PRO = アクティブ手ブレ補正付きSONY機 > R6 > E-P7 ≧ GX7mk2 > X-s10=S5 = Z6 >> アクティブ手ブレ補正なしSONY機(a6400,a7iii,など)
※あくまで僕の体感上で、周辺が歪みやすいのは順位を落としてます。
カメラにもよりますが、僕は↓のような傾向に感じました。
SONY アクティブ手ブレ補正
一番安定してるが、たまにガクンと揺れる。
オリンパス、PANA
たまに上下左右に若干揺られるが、滑らかに動くし、歪みはないので印象は悪くない。
CANON FUJI NIKON
パット見は補正されてるが特に周辺が歪む。
VLOGなどでジンバルなしで手持ちで歩きたい方は、アクティブ手ブレ補正なしSONY機を選んではいけない。
シャッター音と連写速度を比較
a6000シリーズの連写はメカでも十分速いです。
個人的には、音もX-S10よりa6400のほうが好み。
電子シャッターになるとX-S10はかなり高速です。
ただ、どちらもUHS-iという遅い規格のSDにしか対応していないため、RAWで連写しているとすぐにバッファがつまる。
驚いたのは、X-S10が電子先幕シャッターに対応していないこと。
今どきのカメラではめずらしいですね。
FUJIの撮って出しの色は確かにいい。
a7やa6400などクリエイティブルックが入っていないSONY機ではRAWで撮って現像するようにしてます。
↓の2枚はSONYのJPGの色で、設定はビビッドしているくらいです。
FUJIFILMは撮って出しの色が楽しめますが、アプリが使いにくいのが、もったいないなと思いました。
SONYもa6400の世代のアプリは使いにくいが、FUJIのアプリもなかなかひどいです。
SONYとFUJIFILMの色に関しては↓で比較していますが、a6400のクリエイティブスタイルは、クリエイティブルックやフィルムシュミレーションと比較すると明確に劣る印象です。
X-S10とa6400どちらがおすすめか
冒頭のまとめを振り返ります。
- 手ブレ補正が強力(圧倒的)
- 6段補正搭載の割には異常に軽い。
- JPG撮って出しの色
- グリップ
- TYPE-C端子
- バリアングルモニター(個人的に)
- 画質(画素数、ISO感度耐性)
- AFの安定性、精度、追従
- 携帯性
- 防塵防滴
- シャッター音(個人的に)
- X-S10ほど安っぽさがない
この中でご自身が優先するものを選んでいただければと思います。
a6400 4.5点
X-S10 2.5点 くらいの差ですが、
手ブレ補正は
a6400 1点
X-S10 4点 くらいの差があります。
a6400がおすすめな方
- 動きモノ(人物含む)撮影が多い。(手ブレ補正有無は関係ない)
- 雨の日や滝の近くで撮影する方。(防滴なので比較的安心)
- ジンバルや三脚を使う手間を惜しまない人
- RAW現像をする人 (JPGの色味はFUJIを好む方が多い)
- レンズを外して持ち運ぶ(グリップが小さいのでコンパクト)
- より軽いカメラを求む方
動いている被写体であれば手ブレ補正は関係なく、a6400の方がAFが安定しているので安心できます。
a6400で暗所での手持ちで画質を求めようとすると、静止物だろうともF2.8ズーム、できれば単焦点を付けたいので重たくなったり、レンズ交換が発生してしまう。もちろんレンズコストもかかります。
X-S10がおすすめな方
- 街中スナップが多い
- 暗所で静止物の撮影をすることが多い
- 手持ちでの動画撮影が多い
- 高感度を使う撮影が多い
X-S10の方が高感度耐性に優れる - レンズを付けたまま持ち運ぶ
- 重たいレンズをつける
- 4K30Pを常用したい。(a6400はクロップされるので)
手ブレ補正の恩恵を最大限受けれる方はX-S10を選んだほうがいいです。
都会の夜景スナップなら、F4レンズでもISOあげることなく撮影できる状況が多い。
ボディはa6400より若干重いが、F値が暗い小さいレンズでもISOを上げる必要がないため、結果的にコンパクトでコスパがよくなります。(静止物に限る)
上位機種のX-T4よりもグリップがしっかりしているので、より手ブレを抑制できる手応えはありました。
そして、4k30pはクロップされないので使いやすいですね。
個人的にはX-S10がおすすめ
a6400はたしかにいいカメラですが、手ブレ補正なしの軽量カメラは、APS-Cだけで見ても以下のようにかなりあります。
- NIKON Z30
- Fujifilm X-E4
- CANON R50
特にR50は総重量376gに「人物」「動物」「乗り物」AFが詰め込まれていて、a6400より更に高性能AFです。(RFマウントはレンズラインナップが少ないのが惜しいですが・・)
つまり、a6400のような性能のカメラは、ある程度他のカメラで代替可能です。
一方X-S10の凄みは以下です。
・そこそこな像面位相差AF(SONYやCANONには明確に劣る)
・APS-Cセンサーで画質良好(2600万画素で解像感十分)
・コンパクトさ(バッテリー込み465g)
この4つを両立できているカメラは全メーカー探しても中々ありません。
普通はボディが小さいと手ブレ補正がなかったり、AFが弱かったり画質が悪かったりします。
この4つを満たすカメラを強いてあげるならばE-M5markiiiやOM-5あたりかなと思いますが、画質はX-S10のほうが確実に上。僕はマイクロフォーサーズのカメラが大好きですが、このカメラはマイクロフォーサーズを食ってしまうんじゃないかというほどのカメラです。
加えてX-S10は他のFUJIFILM機とは違い、他社と同じモードダイヤルによる操作なのでサブ機にしても使いやすい。
カメラレビュー記事一覧 | カメラ比較記事一覧 |
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E-M5 mark iii | X-S10 とa6400 |
PEN E-P7 | a7iiiとa7Riii |
OM-5 | E-M1 mark iiとa7 Riii |
a7iii a7IV S5 Z6 R6 |
カメラやレンズは高価なのでレンタルもおすすめ。
カメラ機材は高価なので購入するハードルが高い・・
- 購入前に実際に使ってから検討したい
- お子様の行事や旅行など、イベントで一時的に使用したい
- 人気の機材をお試しで使用してみたい
- サブスクで色々なカメラを使いたい
そんな方はカメラレンタルサービスを利用するのがおすすめです。
個人的にはカメラレンタルのサブスク「GooPass」がおすすめです。
例えば今回紹介したX-S10は18-55mmレンズセットでもLv3パス:月額 税込16,380円で1ヶ月借りることが可能(その間、別の機材に取替放題。)
1週間であれば、なんとLv2パス:月額 税込11,980円で借りられます。(残りの3週間はRank1~2の機材を自由に取り替え放題)
※別で往復配送料が1650円かかります。
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