みなさんこんにちは。
割と評判の良いK&FのND2-400 NANO Xという可変NDフィルターを買いました。
発売時期も2021年5月と比較的新しいので相当期待した上で購入いたしました。
結論から言いますと、思ったよりも使い物にならかったという印象です。
ただ、これはこの商品だけの問題ではなく、可変ND自体の問題でもあります。
可変NDフィルターとは
通常のNDフィルターとは違い、本体を回すことによって減光量を自在に調節できるNDフィルターです。
便利な反面、普通の固定NDフィルターよりも
①厚くなる
②Xムラが発生する。
③径が大きくなるのでフードの取り付けが不可になる。
④解像感が劣る。(フィルターを2枚重ねにしている構造のため)
というデメリットがある。
外観
K&F 可変NDフィルターのサイズ(厚みなど)
枠は5mmなので可変NDは通常の固定NDに比べて径が大きくなるのでレンズフードはつけれない。
そして厚みが7mmあるのでケラれやすい。
とはいえ、重ね付けさえしなければ16-35 F4 Gの16mmでも 24-70mm F2.8 DG DNの24mmでもケラれは発生しませんでした。
シグマの標準ズーム24-70mmF2.8 DG DNでムラをチェック。
可変NDにはXムラという減光のムラが発生します。
画角が広角になればなるほど、減光を強めれば強めるほど大きなムラが出ます。
具体的にどれだけムラが出るのか、状況別に検証しました。
24mmでのムラ
すべてLightroomにRAWを読みこんでプロファイル補正しただけのほぼ撮って出しです。
ND○○といった数字は実際に減光効果が確認できた数値で、( )の中のND○○といった数字は可変NDフィルターに刻まれている目盛りです。
つまり目盛りはあてになりません。
↓は撮影時の設定
シャッタースピード | |
---|---|
なにもなし | 1/10 |
ND3.3(ND4) | 1/3 |
ND5(ND16) | 1/2 |
ND8(ND32) | 0.8 |
ND16(ND64) | 1.6 |
ND40(ND128) | 4 |
ND80(ND256) | 8 |
ND300(ND400) | 30 |
相当厳しい結果で、使えるのはND16までという結果になりました。
↓屋外でも検証。
見ての通り相当きつい。
35mm
24mmと大幅には変わらくて、ND16までに抑えたい。
少し多めにみてND32まで使えるかも。
50mm
ND60は、ギリギリ。
70mm
70mmになると、ND200までが普通に使えます。
目盛りをND400にするとND880相当と、とんでもないことになりましたが、目盛りでND350あたりを狙えば、ND400相当を得れるかと。
SONY16-35mm F4 Gの超広角レンズでムラチェック
16mmでのみ検証しました。
16mm
ND16の減光を得ようとしたときには、ムラが目立ってきますね。
24-70mm F2.8 DG DNで他NDフィルターと2枚重ねしたときのケラれ
Xムラの改善策として、この商品をND16までの減光に抑え、別の固定NDを重ねるのはどうかと思い、重ね付けを試しました。
↑の写真はLightroomのプロファイル補正がかかっていて、周辺減光補正されていますので、実際にはもう少しケラれが目立ちます。
どのフィルターも24mmでケラれるので、30mm以降にズームしないといけない。
すでに2枚重なった構造の可変フィルターに、更にもう1枚重ねることは画質的にも心配である。
KENKOのND16もケラれてます。
SONY16-35mm F4 Gで他のNDフィルターを重ね付け
どのNDフィルターを組み合わせてもすべての状況でケラれが発生しました。(重ね付けしなければケラれは発生しません。)
クイックリングというNDフィルターをすぐに着脱するアイテムを取り付けて比較してみました。
クイックリング+可変 のところを見ていただくとわかりますが、かなりケラれています。
クイックリングはNDフィルターより薄型ですが、それでもケラれてしまいます。
ちなみに18mmまでズームするとクイックリング+可変でもケラれは解消されます。
SONYのカメラでアクティブ手ブレ補正を効かせると1.15倍クロップされますので、画角は 16×1.15=18.4mm となり、ケラれはなくなります。
そう考えると、
動画ではクイック+可変を装着。(ケラれない。)
静止画ではすぐさまNDを取り外す。(ケラれない。)
クイックリングを取り付けていると、取り外しがかなり楽ですし、こういう運用をすると使い勝手がいいですね。
ND8までの使用に限られますが・・
色被り
K&Fだけ明らかにおかしな色になっている。
ここまで色被りすると編集ソフトで補正するのも手間ですね。
まとめ、このフィルターはこういう方におすすめ。
24mmでND16までしか減光できないのは期待外れでした。
みなさんに手放しでおすすめ!という訳にはいきませんが、以下の方は可変NDのメリットを存分に活かせると思います。
- 超広角でND8までで収まる環境
- 広角でND16までで収まる環境
- 70mm以降の望遠レンズでNDフィルターを使う環境
このような環境で使用する方にはおすすめです。
自分は色被りが気になり、NISIのNDフィルターを買い足し、今はそちらばかり使っています。
固定NDとの比較を見たい方はこちらをご覧ください。
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