メカシャッター,電子先幕シャッター,電子シャッターの違いや使い分けを完全解説

みなさんこんばんは渋たかです。

デジタルカメラには大きく分けて3種類のシャッター方式があります。

「よくわからないから設定を変えていない〜」という方も多いのではないでしょうか。

ブレやフリッカーなどの原因になりますので、しっかりとシャッターを選択することが望ましいです。

この記事では、それぞれの特徴、メリット、デメリットを解説したあとに、撮影シーン別にどのシャッターを使うべきかを解説します。

渋たか
渋たか
イメージで言うと
電子シャッター → 電気自動車EV
メカシャッター → ガソリン車
電子先幕シャッター → ハイブリッドカー
です。
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電子シャッターの特徴

電子シャッターはセンサー内で露光が完了する。
メカシャッターみたいに物理的に幕が動いたりということはない。

ではどうやって露光をしているのか?

現在電子シャッターに採用されているのはローリングシャッターだ。

ローリングシャッターはセンサーの上部から順に電荷リセット〜読み出しを行い、露光を行っている。

センサー上部から順に読み出し

この方法の問題点は読み出し時間が遅すぎる点だ。
a7iiiの場合、センサー全体の読み出しが1/18秒かかると言われている。

例えばシャッタースピード1/8000で撮ると、露出は1/8000相当になるのだが、読み出し時間がかなり遅いため露光タイミングがラインによって差異が発生してしまうので、ローリングシャッターやフリッカーの原因になってしまう。

ローリングシャッター現象

←電子シャッター →メカシャッター
ローリングシャッター現象とは、動きモノを撮った際に歪んでしまう現象。
センサーの上部と下部で露光タイミングがずれてしまうことで発生する。
メカシャッターも順次露光しているので多少の歪みが発生するが目立ちにくい。
メカシャッターはエントリーモデルのカメラでも幕速が1/160以上あることが当たり前なので、センサー全体を露光するまでのスピードが電子シャッターより圧倒的に速い傾向にあるからだ。
フリッカー

←電子シャッター →メカシャッター
フリッカーとは照明がある環境下で撮影をしたときに写真に縞模様が写り込んでしまう現象のことです。
照明器具は東日本では1秒間に100回、西日本では120回点滅していることが原因です。
電子シャッターは読み出し速度が1/100より遅いカメラが多いのでムラになってしまいやすい。

現在各社フラッグシップモデル
Nikon Z9が1/250
sony a1が1/200
canon R3が1/180 の読み出し速度を達成している。

SONY a7Siiiが 1/125
SONY a9 ii 1/150
CANON EOS R5が 1/60
CANON EOS R6が 1/60 なのだから

Z9 , a1, R3がいかにモンスターカメラかがわかる

    a1   R3Z9
有効画素数5010万画素2410万画素4571万画素
センサー読み出し速度1/2001/1801/250
メカシャッター幕速1/4001/200メカシャッターなし
同調速度メカ1/400
電子1/200
メカ1/200
電子先幕1/250
電子1/180
電子1/250

※メカシャッター幕速は同調速度から算出しました。

a1の幕速は1/400で恐らく史上最速だと思われる驚異的数字。

Z9に関しては完全にメカシャッター幕速と同等レベルの速度を達成しているのでメカシャッターが撤廃された。

この3機種はどれも60万円以上とかなり価格が高いが、いよいよ電子シャッター時代の幕開けといったところだ。

エントリーモデルにまでこの速度のセンサーが搭載された日にはメカシャッターは完全にマニアの物になってしまう。

順次読み出しするローリングシャッターとは違い、同時に全ライン読み出しできるグローバルシャッターという電子シャッターもあるのだが、画質面で課題が多く、現在では全く普及していない。開発の進歩を待つ状況です。

メカシャッターの特徴

メカシャッターは機械式シャッターのこと。
実際にシャッター幕が動き露光を開始します。

ほとんどのカメラのメカシャッターにはフォーカルプレーンシャッターが採用されています
シャッター幕が2枚あり、シャッターを切った際に先に動く幕を先幕そのあとに動く幕を後幕と言います。

a7iiiのような縦走りフォーカルプレーンシャッターの場合は先幕が上にありますが、下に先幕があるカメラもあります。幕が横から出てくるカメラもあります。(横走りフォーカルプレーンシャッター)

↑は実際の1/20の速度で再生しているがそれでも速すぎて目で追えない。
なぜならこの幕速は1/250秒の速度で動いているからです。
幕速はカメラによって異なります。(a7iiiは1/250)

速すぎてわかりにくかったのでイラストにしてみました↓

a7iii ミラーレスのメカシャッター, フラッシュ同調速度内のSSの場合の動き

①シャッターボタンを押す前。
②〜③シャッターボタンを押したあと。(先幕が閉じ露光準備開始)
④先幕が動き始め露光開始
⑤露光中(フラッシュを使用したとするとこのタイミングで光る)
⑥〜⑦後幕が閉じて露光終了
⑧〜⑨後幕が元の位置に戻る
⑩〜⑪先幕が元の位置に戻り、一連の動作が終了

一眼レフでファインダーで撮影している場合、露光前から先幕は閉まっているので常に③の状態です。
④からの流れはミラーレスカメラと同じ。
①、②をスキップできるので一眼レフのファインダーでの撮影でメカシャッターは相性がいい。

ただ、一眼レフであってもモニターを見て撮影の場合はミラーレスカメラと同じ。
ミラーレスカメラでは先幕で一度センサーを閉じるとこから露光がはじまるので一眼レフに比べてレリーズラグが長くなる。

なぜ先幕と後幕の2枚のシャッター幕があるの?
↓を見ていただけるとわかります。

もしa7iiiに先幕しかなかったら。

①〜③露光準備
④〜⑦露光
⑧〜⑨元の位置に戻る

④〜⑦のように
センサー上部の露光時間より下部の露光時間の方が長くなることがわかると思います。
つまり、露出ムラが発生する。

フラッシュ同調速度(幕速)より速い露光

カメラのフラッシュ同調速度は、ほぼシャッター幕の速度(幕速)になっていることが多く、幕速はシャッタースピードが何秒であれ一定です。

a7iiiの場合,幕速はおよそ1/250です。sony a1は世界最速で、もう少し速いですが、それより速い幕速のシャッターを作るには物理的に限界がきます。

では1/8000などのシャッタースピードをどうやって実現しているのか?

それはシャッター幕のスリットを狭めて露光量を少なくしています。↓

a7iii メカシャッター,シャッタースピード1/500のイメージ

先ほどとは④と⑤が変わっていて、先幕が開ききるのを待たずに、後幕が追いかけてスリットが狭まっています。
センサーの見えている部分が半分なら幕速の半分のシャッタースピードになります。(今回であれば1/500)
この隙間を例えばセンサーに対して1/4の大きさにすればシャッタースピードは1/1000になり
更に狭めて1/2000,1/4000,1/8000を実現しています。

この方法では露光中にセンサーがフルオープンになるタイミングが一瞬たりともありません。
ですので同調速度を超えてストロボを光らせると一部分が黒つぶれするのです。

幕速以上のシャッター速度で撮った場合はブレの軽減にはなっていないのか?
→いいえ、しっかりと高速シャッターで撮れていてブレの軽減になっています。
例えば幕速1/250のカメラで1/2500のシャッタースピードで撮影したとしましょう。


1/2500で撮った場合

1/2500で撮った場合
幕速が1/250なので全て露光し終えるまでに1/250かかってしまいますが、各ラインごとのスピードは1/2500です。
1/2500 x 10 = 1/250ですね。ブレは起こりにくいですが、各ラインごとの露出のタイミングは異なりますのでローリングシャッター歪みが起こる可能性はあります。
エントリーモデルなどで幕速が1/160のカメラであれば気になる場合があるかもしれませんね。
それでもメカシャッターの幕速はローリングシャッター(電子シャッター)の読み出し時間より圧倒的に速い事が多いです。

電子先幕シャッターの特徴

電子先幕シャッターは、メカシャッターの先幕に当たる動作を電荷リセットで代用し、後幕だけをメカシャッターに頼る方法。

電子シャッターのデメリットであった読み出しは露光終了時に発生するものであり、電荷リセット(露光開始)自体は高速で行うことができる
メカシャッターの後幕で露光終了するため、幕速で露光が完了する。

紫色は電子化された先幕

センサーが開いた状態で露光を開始できるので、メカシャッターのような露光準備が必要なくレリーズラグの短縮ができる。ミラーレスカメラと非常に相性がいい。

ただ高速シャッターになればなるほど露出ムラが発生したり、ボケの欠けが発生する。この症状はメカシャッターにも電子シャッターにも発生しなくて、電子先幕シャッターにのみある問題。

↓の写真は←が電子先幕シャッター →がメカシャッターで1/8000で撮り比べました。


電子先幕シャッターの方の玉ボケが欠けていて、画面上部と下部の露光量に差異があるのがお分かりいただけると思います。

電子先幕シャッター。SSによるボケ欠けの差

1/2000以下であればほとんど気にならない。余裕を見て1/1000であればどんな被写体でも気にならないとは思います。

ちなみにこれらの原因は電子先幕(センサー)と後幕のある場所が離れているから。

高速シャッター時のスリットを再現

高速シャッターになればスリットが狭くなるので、画面上部と下部で光の入り方が変わってしまう。

電子シャッターのメリット・デメリット

電子シャッターのメリット
・連写が速い
電子シャッターは物理的な制約がないため連射が速い。
a1は5010万画素にも関わらず30コマ/秒の連射が可能です。
メカシャッターや電子先幕シャッターではありえない領域です。
レリーズタイムラグも少ない。
・ブレが少ない。
物理的になにも動かないためシャッターによるブレの心配が全くない。
・無音撮影が可能
音を出したくない場合に便利
・耐久性がいい
メカシャッターの場合は可動するため寿命がある。
電子シャッターのデメリット
・フリッカーが出やすい。
センサーの読み出し速度が遅すぎるため縞模様のフリッカーが起きやすい。
・歪みやすい
センサーの読み出し速度が遅すぎるためローリングシャッター現象が起きやすい。
・撮ってる感が少ない。
これは個人的な考えですが、シャッターフィーリングがないので少しおもしろみに欠ける。

現在は幕速が速いメカシャッターが優位になりがちだが、読み出し速度による欠点をNIKON Z9は解消している。
今後のカメラはますます電子シャッターのデメリットは消えていき、メカシャッターは下火になることが予想される。

メカシャッターのメリット・デメリット

メカシャッターのメリット
・フリッカーが出にくい
メカシャッターのシャッター幕の動きは電子シャッターより圧倒的に速いことによりフリッカーが出にくい。
尚メカシャッターや電子先幕シャッターでも過信は禁物でムラは多少なりとも出ます。
高速シャッターを切った際は電灯が消灯しているタイミングで撮影してしまって、真っ暗の写真になることは普通にありますので注意は必要です。
・歪みにくい
フリッカーのときと全く同じですがメカシャッターは幕速が速いので動きモノを撮影しても被写体が歪みにくい。
メカシャッターのデメリット
・ブレやすい。
幕が実際に動きますので高画素機で低速シャッターで撮影するときには注意が必要です。
特に1/100以下ではブレやすいので電子先幕シャッターや、電子シャッターを使用したいところです。
・シャッター幕を消耗
メカシャッターは実際にシャッター機構が動きますので寿命があります。
メーカーは仕様にシャッターの耐久性を表記している場合があります。大体のカメラは20万回ですがハイエンドカメラになると50万回になってきます。
・レリーズタイムラグが長い。
シャッターボタンを押してから先幕が動きますので実際に写真が撮れるまでの時間が長くなります。

電子先幕シャッターのメリット・デメリット

電子先幕シャッターのメリット
・メカシャッターに比べ、レリーズタイムラグが少ない。
先幕を電子制御で行うことで物理的な動きがなくなり、露光が開始するまでが速い。
・フリッカーが出にくい
露光終了を後幕で行うことによってセンサーの読み出し速度の影響を受けない。
幕速は蛍光灯の点滅よりも速いためフリッカーが出にくい。
・歪みにくい
先程と同じ理由で、センサーの読み出しに頼ることなく、後幕で露光終了する。したがってセンサーの上部と下部で入ってくる光の差異が出にくいため、動きモノを撮影したときの歪みが少ない。
・ブレにくい。
特にブレやすい先幕の動きをなくすことでブレにくい。
※後幕はブレには影響しづらい。
電子先幕シャッターのデメリット
・露出ムラやボケの欠けが発生する。
高速シャッターになればなるほど顕著。
電子先幕シャッターにだけ起こる症状です。
・後幕を消耗
後幕はメカで動いてますので耐久性の心配がある。

状況別の使い分け

a9,a1,R3,Z9あたりであれば、すべて電子シャッターで撮ってもほとんど問題は出ない。(特にZ9は。)

もしあなたがこれらのフラッグシップカメラをお持ちでない場合の状況別のおすすめシャッターを紹介します。

屋内撮影 → 電子先幕シャッター
電子先幕シャッターはフリッカーが出にくくブレにくいから。
屋内では高速シャッターではないため玉ボケの欠けや露出ムラの心配が少ない。
1/100以下で撮影する場合はフリッカーは目立ちにくいので電子シャッターでもOKな場合もあります。
シャッター音を気にされる場合は電子シャッターをチョイスしましょう。

日中屋外撮影動きモノ → メカシャッター or 電子先幕シャッター

動き物は歪みやすいので電子シャッターは避けたい。
日中はシャッタースピードが速くなることが多くブレにくいため、積極的にメカを使いましょう。
メカシャッターではレリーズラグが長くなりますので、もしレスポンスがほしいのであれば電子先幕シャッターを使いましょう。(1/1000以下であればボケ欠けや露出ムラはほぼ目立たない。)
日中屋外撮影静止物 → 電子シャッター or メカシャッター
静止物であれば歪みの心配もなく、日中屋外ならばフリッカーの心配はないので電子シャッターのデメリットはない。
1/1000以下の環境なら電子先幕シャッターでもOK。
夜屋外→電子先幕シャッター

シャッタースピードが遅くなるからブレやすいメカは避けたい。
電子シャッターは街灯でフリッカーが出やすい。
したがって電子先幕シャッターを使用したい。
タイムラプス→電子シャッター
タイムラプスは静止物でかなりの枚数を撮るので必ず電子シャッターで撮りましょう。
メカシャッターや電子先幕シャッターでは無駄にシャッター幕を消耗するだけです。
夜の都会を撮るなど、電灯を撮る場合であっても、タイムラプスは三脚などに固定するため夜間は自然に長秒シャッターになる。
長秒シャッターであればフリッカーは目立ちにくい。

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